【豆知識】「花見酒(はなみざけ)」って?桜を愛でながら楽しむ日本酒
もうすぐ桜のシーズン。“花見酒”という言葉のルーツや桜にちなんだ日本酒など、知っておくとお花見が楽しくなる豆知識を唎酒師 藤田えり子が解説します。
もうすぐ桜のシーズン。花見酒(はなみざけ)という言葉のルーツや桜にちなんだ日本酒など、知っておくとお花見が楽しくなる豆知識を集めました。
「花見酒」という言葉は落語が由来
俳句をひねる目的じゃなくても、季語をまとめた歳時記の本をパラパラと眺めるのは楽しいもの。
まもなくお花見時期の到来ですが、日本酒ファンが思い浮かべる季語はやっぱり「花見酒」。いまやお馴染みの言葉ではありますが、古典落語の演目「花見酒」が由来なのだとか。
醍醐の花見が花見酒の始まり
桜を愛でながらお酒を飲み宴会をするお花見のスタイルは、慶長3年(1598年)に豊臣秀吉が催した「醍醐の花見」から始まったと言われています。京都伏見の醍醐寺に700本の桜を集め、全国から取り寄せた名酒を1300人の招待客に振る舞いました。招待客はほとんど女性ばかりで、いかに華やかな集まりだったか想像できますね。
花見酒にふさわしい春酒
お花見にはどんなお酒を選ぶか迷ってしまう? だったら「春酒」がぴったりです。2月から4月頃に発売される春季限定の日本酒で、微発泡でフレッシュ、軽やかな生酒が多いんです。うすにごりのやさしい飲み口で、ラベルのデザインも桜をあしらったり、淡いピンク色だったり、春らしさ満点! 特に女性やあまり日本酒を飲みなれない方には、きっと喜んでいただけますよ。
桜酵母で醸した日本酒もおすすめ
または、ちょっと変わり種の桜酵母で作った日本酒はいかがでしょう? お酒の発酵に欠かせない酵母ですが、自然界の花から分離した「花酵母」を使う酒蔵も増えています。ナデシコやベゴニア、ヒマワリなど10種類以上の花酵母があって、桜もそのひとつ。花の香りがするわけではないですが、桜にちなんだお酒の名前やラベルデザインで華やかにお花見気分を盛り上げてくれます。
まとめ
満開の桜を眺めながら、仲間やグループで集まってお酒とご馳走を楽しむお花見は、外国には見られない日本独特の文化。春の訪れを喜ぶ日本人らしい素敵な習慣ですね。
でも、楽しいからといってお酒の飲み過ぎには要注意。マナーを守って楽しいお花見を!
ライター 藤田えり子
唎酒師。大阪の日本酒専門店に世界を広げていただき、さまざまな日本酒や酒蔵に出合う。好きな日本酒は秋鹿、王祿ほか
お酒以外の趣味は鉱物集めとアゲハ蝶飼育。
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