見渡す限りの田園風景と日光山系の伏流水に恵まれる［小林酒造（こばやししゅぞう）］

栃木県小山市（旧美田村）に蔵を構える［小林酒造］は「鳳凰美田（ほうおうびでん）」の醸造元として全国的に有名。この名称は、創業当初（明治5年）からの銘柄である「鳳凰金賞」と蔵がある「美田村」をかけ合わせて命名されました。

小林酒造で醸される多くのお酒は「しずくしぼり」によって手間ひまかけて生み出されます。そのため、純米酒であっても瑞々しさとフルーティーさを兼ね備えた吟醸香、上質な口当たりを持っており、その品質は多くの日本酒ファンから評価されています。

そんな「鳳凰美田」には毎年冬季に販売される、大人気リキュールが存在していることをご存知でしょうか？本記事では「鳳凰美田いちご」の魅力、味わいを紹介。「ほんとにお酒なの？」とびっくりしてしまうような、濃厚ないちごの味わいが楽しめます！

賞味期限はわずか2カ月！？冬季限定の超濃厚いちご

スッと通った美しいボトルには、見た目にもいちごを感じさせるピンク色のキレイなお酒が。底面には果肉がたまっており、見ただけでも濃厚な味わいが想像できます。

リキュールは通常、蒸留酒に果実を漬け込むことが一般的。しかし「鳳凰美田いちご」には鳳凰美田の吟醸酒が使用されています。つまり、日本酒ベースの果実酒ということ！一般的な日本酒、リキュールでは味わえない新しい感覚が楽しめそうです。

使用されているいちごは栃木県産の「とちおとめ」。1996年に品種登録された、栃木を代表するいちごブランドです。そして「鳳凰美田いちご」全体の60％を「とちおとめ」が占めるといいます。収穫年の糖度や粒の大きさによって異なるそうですが、全体の半分以上がいちごというとても贅沢なリキュールなのです。

特筆すべきは保存料不使用、生のいちごを使用していることから消費期限はなんと「2カ月」のみ！その理由はいちごの鮮度を守るため。さらに、非加熱の状態で流通していることから、瓶内での発酵を防ぐことも目的にしています。

瓶内で発生するガスを抜くために、キャップは穴あき栓が採用されています。横倒しすると液漏れする可能性がありますので、保存の際には注意が必要です。

アルコール度数は5度以上6度未満。通常の日本酒が15度前後であることを考えると、比較的飲みやすい商品になっています。

お酒情報
・商品名：鳳凰美田（ほうおうびでん）いちご
・製造元：小林酒造（栃木県小山市）
・原材料：いちご（国産とちおとめ）、醸造アルコール、日本酒（国内製造）、糖類（一部に乳製品を含む）
・アルコール分：5度以上6度未満
・味わい：甘口
・価格：1760円（税込）
・内容量：500ml
・URL／https://hououbiden.jp/

いざ開栓！圧倒的いちご感と濃厚な粘度に驚き

いちごの成分が瓶底に滞留していますので、上下に軽く降ってから開栓。グラスに注いだ感覚は“お酒”というより“ジャム”に近いかもしれません！トロッした濃厚な液体が流れ出てきます。いちごのつぶつぶ感と色合いが全面にでており、見た目にもいちごを強く感じられるでしょう！

香りは少し煮詰めたいちごジャムのような、濃厚でこっくりした甘さがあります。いちごだけで作ったジュースのようで、香りだけではこれがお酒だと思えないかもしれません！

いちごヨーグルトのような風味の裏に吟醸酒が感じられる

一口含むといちごの果肉、つぶつぶ感が口いっぱいに広がります。「飲む」というよりは「食べる」といった方が適切かもしれないほどの果実味。ここまで果実感の強いリキュールは個人的に初めて。練乳などの乳製品が含まれているため、ふんわりといちごヨーグルトのような味わいも。

いちごの甘やかさの裏にはふんわりと日本酒らしいコク、旨味も感じられ「やっぱりお酒なんだ」と実感。鳳凰美田の吟醸酒ベースのためか、非常にキレイにまとまっています。飲み込んだ後の余韻も長く楽しめますが、決して甘ったるく残りません。

日頃から日本酒を飲むけれど、甘いお酒はあまり口にしないという方は少なくないでしょう。しかし、そういった方にこそ飲んでほしい日本酒ベースのいちごリキュール。濃厚な甘味とふんわりとした日本酒の風味が癖になる味わいです！

デザート酒としてこれ以上ない役割を果たす

「鳳凰美田いちご」は圧倒的ないちごスイーツ感、甘味が魅力の１本。そのためデザート酒などとして、単体でゆっくり楽しめる商品になっています。グラスに注ぐだけで上質なデザートとしての役割をしっかり果たしてくれます。

非常に濃厚なテクスチャーも特徴ですので「ジャム」や「ソース」のようにも使えるかもしれません。ヨーグルト、アイスなどにかける「いちごソース」として使うと、新しい楽しみ方が見つかるかも！夏はかき氷にかけても美味しそうです。

もともとクリーミーな風味が感じられますが、その点を強調するために牛乳などで少し割ってもいいかもしれません。暖かい部屋でゆっくりといちごの甘味を楽しみましょう。

圧倒的な「果実味」が楽しめる「鳳凰美田いちご」

「鳳凰美田」は通常の日本酒だけではなく、リキュールも高い評価を受けています。そのラインナップは多種多様であり、定番の梅酒からゆず、もも、メロン、ブドウなどなど。日本酒作りは古くから伝わる手作業にこだわりながら、リキュールでは最新鋭の技術を導入するなど様々な挑戦を続けているのです。

中でも今回紹介した「鳳凰美田いちご」はそんなリキュール群の中でも絶大な人気を誇る商品。［小林酒造］だからこそ実現できた新感覚の濃厚リキュールをぜひ一度お試しください！

ライター 新井勇貴
滋賀県出身／唎酒師・SAKE DIPLOMA
酒屋、食品メーカー勤務を経てライターに。好きな日本酒銘柄は滋賀県高島市の「不老泉」。趣味は飲み歩き、料理、旅行など

特集一覧はこちらから
https://sakeworld.jp/special/