コの字カウンターで、美味い酒と魚に出合える

京都の地下鉄「烏丸御池駅」から徒歩すぐ。ビル1Fに店を構える［魚の匠 あさきぬ］。

暖簾をくぐると、コの字カウンターの中に店主の姿が。ビルの一角とは思えない雰囲気が漂う。

最大10名の店内には少人数で訪れる客が多く、一人でも気軽に立ち寄れる。店主との距離が近く、日本酒初心者でもチャレンジしやすいお店だ。
オフィス街とあって、ランチも大人気！

この記事の紹介者はこちら

店主　佐藤誓哉さん

プロフィール

長野県出身。海のない長野に生まれ、京都で魚の美味しさに目覚める。京野菜と日本酒の店で経験を積み、2007年に［魚の匠 あさきぬ］をオープン。

店主と相談しながら初めての熱燗に挑戦！

この日が本当に燗酒デビューの編集部員T。

店主・佐藤さんの「玄人とか素人ではなく好みですから、構えず気楽に」という一言に一安心。

「一人で来て、おすすめの熱燗を聞かれる方も多いんですよ」と佐藤さん。

「いつも飲んでいるお酒や好みを聞いて、あれこれおすすめしています」というから、初心者にもうれしい。
好きなお猪口を選んで、楽しくスタート！

ビギナーにすすめてくれたのは、この3本

まず始めにすすめてくれたのは『月の井』。

佐藤さん「僕に日本酒やお燗のことを教えてくれた石川杜氏が手がける銘柄です。今年の純米吟醸は、旨味も綺麗でライトに飲めます。米のポテンシャルも良く発揮されていますよ」

編集部員T「クセがなく、バランスがよくて飲みやすいです。あたためると香りが立って、よりお米の甘みを感じるんですね！燗酒の方がお酒本来の味をより堪能できる気がします」

■月の井　純米吟醸　半合600円、1合1100円　
月の井酒造店（茨城県）　アルコール度数16度　精米歩合50%

次に登場したのは『玉櫻』。

佐藤さん「兄弟で営む酒蔵から選びました。こちらは3年熟成したもの。寝かすことで、渋味・酸味・苦味が丸くなるんですよ。コクが出て、より味わい深くなります」

編集部員T「お酒の色が濃い！旨みがとても強いので、ジワジワと味わいが広がります。熟成酒と聞いてハードルが高かったのですが、まろやかで常温よりも飲みやすく感じます。驚きです！」

■玉櫻　山廃純米　半合600円、1合1100円
玉櫻酒造（島根県）　アルコール度数15度　精米歩合70%

最後に佐藤さんが選んだのは『和（な）の月』。

こちらは、温度で絵柄が変化する燗向けのチャーミングなお猪口でいただく。

佐藤さん「『月の井』がお好みなら、同じ蔵元のものを。こちらは、しっかり米の力を発揮した緩衝力の強い銘柄です。そのため、温めても全然負けない」

編集部員T「お米本来の甘みをしっかりと感じます！なんだか食欲が湧いてくる！どんな料理とも相性が良さそうです。」

■和の月　有機米純米酒　半合700円、1合1200円
月の井酒造店（茨城県）　アルコール度数20度　精米歩合80%

こちらも燗酒におすすめ

最初にいただいた３本を踏まえて、佐藤さんからさらに2本を提案。

お客さんの反応を見て提案をしてくれるので、日本酒に詳しくなくともお気に入りが見つけられる。初心者だけでなく日本酒好きも大満足のラインナップは、「日本酒は熱燗しか飲みません」という佐藤さんだからこそ。

■槽搾り 清酒大号令　純米酒　半合600円、1合1100円　
馬上酒造（広島県）　アルコール度数15度　精米歩合65%

佐藤さん「石川杜氏の元で修業された方が手がけています。造り方をしっかり受け継いでおられて、美味しい。若い酒なのでスッキリしていて、キレの良い味わいです」

■宝寿 三人文珠　芳醇純米　半合600円、1合1100円
藤井酒造（広島県）　アルコール度数16度　精米歩合65%

佐藤さん「G7広島サミットで乾杯に用いられた『龍勢』というお酒と同じ酒蔵のものです。熟成が気になる方にはこちらもおすすめ。完全発酵していて、程よい熟成感です」

旬の味覚は、どれも日本酒に合うものばかり！

お造りから焼き、蒸し、天ぷらにシメのご飯まで。店名の通り、日本酒に合う魚料理がメインだか、肉や野菜も引けを取らない。

旬の味を大切にするため、メニューは毎日変動。仕入れの食材選びからこだわり、丁寧に素材の旨みを引き出していく。一人6000円ほどあれば、料理もお酒も大満足！

コッペガニ　1600円〜※産地によって値段の前後あり

写真は北海道産のコッペガニ。身に内子と外子を混ぜていただくのが店主イチオシの食べ方。これからは津居山港がメインに

鴨ロースの酒粕漬け　1000円

漬け汁に酒粕をといて漬け込んだ鴨ロースを蒸し上げる。お酒の風味がふんわりと香り、お肉はしっとり柔らか。お酒がすすむ一品！

菊菜としめじの胡麻クリームがけ　500円

胡麻ペーストに醤油とみりんを合わせたソースがクリーミーで優しい味わい。季節によって葉もの野菜が入れ替わるお店の定番メニュー

日本酒は、どんな料理も受け止めてくれる

「いただいた燗酒に合う料理も教えてもらえますか？」と質問すると、意外な答えが返ってきた。
「白ごはんも日本酒も同じ米。だから日本酒は、白ごはんのようにどんな料理でも受け止めてくれるんです。好きな料理を注文して自分のスタイルを楽しんでください」と佐藤さん。

一般的に燗をつけると、米の旨みが引き出されたり、味わいが深くなる傾向にあるため、より料理が美味しく感じられるのかもしれない。

優しくアドバイスをくれる佐藤さんに、すっかり気持ちまでぽかぽかの日本酒ビギナー。ちょっぴり赤ら顔で、一皮剥けたようだ！

Instagram /＠asakinu1270

Sakeが飲める・買える店一覧はこちらから
https://sakeworld.jp/place/