[2026]第三回「伏見酒フェス」&12酒蔵の蔵開きが実施!伏見をまるごと楽しめるイベントをレポート
京都市伏見区にて2026年3月14日(土)、第三回となる「伏見酒フェス」が開催された。メイン会場である[月桂冠昭和蔵]を中心に、伏見12の酒蔵も一斉に蔵開きを実施。日本酒を中心に伏見の街が大いに盛り上がった一日の様子をレポートする。
INDEX
年々パワーアップし続けるイベント&蔵開き
伏見酒造組合は「京都・伏見の酒蔵や歴史ある街に実際に足を運び、その魅力を体感してほしい」という想いから、これまで3月に「日本酒まつり」を開催してきた。
2024年からは規模を拡大し、伏見港公園をメイン会場とした「伏見酒フェス」へと発展。第二回からは会場を月桂冠昭和蔵へ移し、より充実したイベントとして開催されている。
第三回となる2026年もメイン会場は月桂冠昭和蔵。さらに周辺に点在する12の酒蔵が一斉に蔵開きを行い、伏見の街全体が日本酒一色に染まる一日となった。
月桂冠昭和蔵で18種の銘酒を飲み比べ!
今年もメイン会場の月桂冠昭和蔵は、第一部がスタートする午前9時40分から多くの来場者で盛り上がった。
昨年の来場者の声を反映し、今年の開催時間帯は4部制から5部制へ変更。1部あたりの人数を減らすことで、それぞれのスペースで無理なくゆっくりとお酒を楽しむことができた。
2024年の実施時は3部制であったことを考えると、「伏見酒フェス」のもてなし感が年々向上している様子がうかがえる。

有料試飲は全18種類。会場となる伏見を中心に京都府内の銘酒を楽しめる。
1枚のチケットで4種類のお酒と引き換えられるため、来場者はそれぞれの蔵の味わい、個性を比較することができた。

メイン会場で提供された各酒蔵の銘柄は以下の通り。
(酒造名・銘柄・原材料米)
- ●黄桜 スパークリング特別純米酒 銀河交響曲(国産米)
- ●北川本家 富翁 大吟醸山田錦(山田錦)
- ●京姫酒造 京姫 純米大吟醸「紫」祝 38%(祝)
- ●キンシ正宗 金鵄正宗 純米大吟醸(祝)
- ●月桂冠 鳳麟 HORIN 純米大吟醸(山田錦・五百万石)
- ●齊藤酒造 英勲 純米大吟醸原酒(祝・京の輝き)
- ●招德酒造 純米大吟醸 延寿千年(兵庫県産山田錦)
- ●城陽酒造 城陽 限定醸造酒「祝」 (祝)
- ●宝酒造 松竹梅限定醸造〈大吟醸〉(山田錦)
- ●玉乃光酒造 純米大吟醸 美山錦100%(美山錦)
- ●豊澤本店 豊祝 純米大吟醸(祝)
- ●東山酒造 大吟醸 坤滴(山田錦)
- ●平和酒造 純米大吟醸 慶長伏見の酒(山田錦)
- ●増田德兵衞商店 月の桂 柳 純米大吟醸酒(山田錦)
- ●松本酒造 桃の滴 純米吟醸(東条産山田錦)
- ●松山酒造 十石 祝 純米大吟醸(祝)
- ●都鶴酒造 都鶴 純米大吟醸(五百万石・京の輝き)
- ●山本本家 神聖 愛山 純米大吟醸(愛山)
提供本数もこれまでの経験からアップデートし、各部の来場者が十分に楽しめるよう潤沢に用意された。

会場内で試飲できる各銘柄のボトル販売も行われた。気に入った銘柄を自宅で楽しむため、各部の転換時間には多くの来場者で賑わった。
地元伏見の人気飲食店が集結!

京都の銘酒に合わせるおつまみも充実。地元伏見で人気のある以下の飲食店が集まり、それぞれ自慢の料理を提供していた。
- ●やさい・きっちん(自家製かす汁など)
- ●鳥どり(ホルモンミックスなど)
- ●肉匠 森つる(ローストビーフなど)
- ●鉄板串焼き 咲蔵(おつまみ3種盛)
- ●伏水酒蔵小路(牛すじ大根煮込みなど)
- ●魚民中書島北口店(屋台のソース焼きそばなど)
- ●Foods bar 栞屋(芝海老の唐揚げなど)

提供ブースの両サイドにはテントとテーブルが配置されている。各部の人数に余裕を持っている分、飲食のスペースを探し回ることなく楽しむことができた。
伏見エリアの12蔵が一斉蔵開き!
伏見エリアの12蔵の一斉蔵開きも行われ、各会場では蔵の特色を活かした催し物が行われた。
メイン会場から最も近くに蔵を構える[北川本家(富翁)]では当日限定酒を含めた様々な銘柄を求めて多くの来場者で賑わった。

[北川本家]は今期の造りより、これまで杜氏を務めていた田島善史さんから武田博文さんへ体制変更。これからも多くのファンを楽しませることが期待される。

▲写真左から田島善史前杜氏、北川幸宏代表取締役社長、武田博文杜氏
今年の「伏見酒フェス」より蔵開きに加わった[松本酒造(桃の滴)]。3種の飲み比べ提供に加えて、杜氏の講演会も行われるなど多くの来場者で賑わった。

▲[松本酒造]の蔵開き会場
[齊藤酒造(英勲)]もより多くの来場者がゆっくりと楽しめるようにアップデートされていた。キッチンカーではマグロ解体ショーが行われており、多くの来場者が列をなしていた。

「毎年同じことを繰り返していても飽きてしまいますから。キッチンカーもブラッシュアップしつつ、来場者には新しい気持ちで楽しんでもらいたい」と13代目 代表取締役社長の齊藤洸さん。

▲齊藤酒造 13代目 代表取締役社長 齊藤洸さん
[増田德兵衞商店(月の桂)]では「柳」の生酒と蔵開きの当日に搾った「春がすみ 生酒」、そして「祝 純米大吟醸 にごり生」の試飲セットを提供。

「『柳』の生は蔵開き限定で販売。『春がすみ』もこのイベントに合わせて搾りたてで提供しています」と増田徳兵衛会長。
訪れたファンからは「『柳』の生が飲めるのは嬉しい」という声も寄せられていた。

▲写真左より蔵人のオザンギヨームさん、増田德兵衞会長
[招德酒造(花洛)]ではこの時期限定の「活性にごり酒」の提供が行われた。昨年はあいにくの天気であったが、今年は天候にも恵まれる中、この時期しか飲めない味わいを楽しむことができた。

道の向かい側に位置する[玉乃光酒造(玉乃光)]と[松山酒造(十石)]は、今回3度目となる合同蔵開き通称「たまこく」を開催した。

[玉乃光酒造]の試飲ブースは、例年龍谷大学の学生が担当している。世代を超えて伏見の日本酒が親しまれていることを実感させる光景が広がっていた。

「松山酒造」は蔵内のタンクを除去し、例年は解放していなかった酒蔵の一部を試飲スペースとして提供。蔵の設備を気軽に見学しつつ、日本酒が楽しめるようになっていた。

[月桂冠(月桂冠/鳳麟)]では古くから酒造りの現場で歌い続けられてきた「酒造り唄」の実演や試飲などが行われた。
また、最先端の日本酒を試作の段階で提供する実験的なプロジェクト[Gekkeikan Studio]も。白衣の担当者が印象的であり、革新的な銘柄が複数楽しめた。

[山本本家(神聖)]では蔵の中での試飲に加えて、輪投げによる日本酒プレゼント企画が実施されていた。年々グレードアップを続け、来場者を楽しませる気概が感じられる。

[黄桜(黄桜)]では日本酒と並行して京都初の地ビール「京都麦酒」、2018年から稼働を開始した「丹波蒸溜所」のウイスキーとジンの提供も。

どの蔵も色々な催しを実施し例年以上の来場者で盛り上がった。来場者の話を聞くと京都府内からはもちろん、関西圏一帯、東海地方から参加したという方も。伏見の日本酒が丸一日楽しめるイベントとして、年々認知度を向上させている様子がうかがえた。
お酒が飲めない人でも楽しめるイベントも!
本イベントではメイン会場を含む19箇所にスタンプ台が設置されており、6箇所以上のスタンプで「伏見のお酒を使ったお菓子・お酒に合うお漬物・珍味」、12箇所以上のスタンプで「伏見のえぇお酒」が抽選で当選するキャンペーンが実施された。
酒蔵がコンパクトに集まっている地域は全国でも珍しく、徒歩や公共交通機関で複数の酒蔵を巡ることができる点も伏見の大きな魅力の一つだ。今回の「伏見酒フェス」でも、スタンプを集めつつ酒蔵を巡る姿が多く見られた。

[月桂冠昭和蔵]近くの「コミュニティ・バンク京信わくわく広場」では、地元の飲食店が集まり、お酒が飲めない人やお子様でも楽しめるブースが展開された。

コミュニティ・バンク京信 京都信用金庫 伏見支店 支店長の山本英樹さんは「他府県の方はもちろん、京都市内の方にも伏見に足を運んでもらい歴史・文化を知って欲しいですね」とコメントした。
京都・伏見の日本酒の魅力を伝え続ける「伏見酒フェス」
本年の「伏見酒フェス」は天候にも恵まれ、例年以上に多くの来場者が訪れる大盛況となった。イベントの盛り上がりからは、伏見という土地で醸される日本酒の魅力が着実に広がっている様子がうかがえた。
来場者は各酒蔵でのイベント終了時刻まで伏見の銘酒を楽しんだ後、「伏見大手筋商店街」「納屋商店街」「龍馬通り商店街」「中書島繁栄会」など、伏見に並ぶそれぞれの繁華街へと流れていった。
本年の実行委員長を務めた[山本本家(神聖)]専務取締役の山本晃嗣さんは、イベント終了後、今回の開催について次のように語った。
「第一回、第二回と比べて今回はメイン会場の体制を含め大きくブラッシュアップしました。本年も沢山の来場者にお越しいただき、楽しんでもらえたことは実行委員長として本当に安堵しております」

▲[山本本家(神聖)]専務取締役 山本晃嗣さん
京都府は全国有数の日本酒産地として知られる。その中でも京都伏見は府内の大半を生産しており、半径1.5kmの中に21蔵が密集する「酒蔵の街」として有名である。
「伏水」を仕込み水に用いた柔らかくまろやかな味わいが特徴の伏見の日本酒は明治時代、鉄道網の発達によって全国にその名を馳せていった。こうした歴史的背景から、現在もJR、近鉄、京阪の3線7駅が集まるエリアとなっており、京都市内はもちろん大阪・奈良といった関西近辺からのアクセスも良好となっている。
2025年10月1日には、酒類の地理的表示「GI京都」が新たに指定された。本制度は、その地域ならではの自然的、人文的、社会的要因の中で育まれてきた品質や社会的評価などの特性を有する産品の名称を、生産地や原料、生産方法などの基準とともに登録し、国が保護する制度だ。
確かな品質に加え、イベントの集客力、そして「GI京都」の指定。京都・伏見の日本酒が国内外へ魅力を発信するための条件は着実に整いつつある。回を重ねるごとに発展を続ける「伏見酒フェス」。京都・伏見の酒文化を体感できるイベントとして、今後の展開にも注目したい。
ライター:新井勇貴
酒の文化と物語を伝えるフリーライター。大学卒業後に京都市内の酒屋へ就職し、食品メーカーでの営業を経て独立。(Webサイト)
保有資格:J.S.A. SAKE DIPLOMA・ワインエキスパート/SSI 酒匠・日本酒学講師
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