キーマンに聞く

UCCとのコラボも話題!
「サケラボトーキョー」甲斐勇樹さんに聞く日本酒のペアリングとブレンドの世界

東京都・北区十条にある日本酒専門バル「サケラボトーキョー」では2026年2月11日からUCCグループとコラボを実施。UCCが開発したコーヒー商品「YOINED(ヨインド)」と、それに合う日本酒のペアリングメニューを提供する。今回は「サケラボトーキョー」のオーナーである利き酒師の甲斐勇樹さんに取材した。

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この方にお話を聞きました



ジャパンテイスト(サケラボトーキョー)代表取締役 甲斐勇樹さん
プロフィール
1982年宮崎県生まれ。大手居酒屋グループのNo.1店長を経て2011年にジャパンテイスト株式会社を設立。東京・十条にて、日本酒バル「サケラボトーキョー」、紹介制日本酒バー「にほんしゅ椿」、日本酒サロン「ooca」を展開。YouTube「サケラボちゃんねる」や著書『日本酒を好きになる』(マイナビ出版)などを通して日本酒の魅力を国内外に発信している。第6回世界唎酒師コンクール審査員。

UCCの食べるコーヒー「YOINED」と日本酒のペアリングが実現

「サケラボトーキョー」は東京都・北区十条にある日本酒専門バル。利き酒師として活躍する甲斐勇樹さんがオーナーを務め、全国各地の美酒が常時30種類以上と日本酒に合う料理を提供する人気店だ。同店では2026年2月11日からペアリングメニューとして、UCC上島珈琲株式会社が開発したコーヒー商品「YOINED(ヨインド)」2種類と、それぞれにマッチする日本酒2種類をセレクト。8種の料理と12杯の日本酒を楽しめる「おまかせ料理8品コース」(7,200円)の中で、そのうちの一皿として「YOINED」とそれに合う日本酒を組み合わせたペアリングメニューを用意した。

「YOINED」は「コーヒー豆をすべて食べてみたい」という思いから生まれた商品。見た目はチョコレートだが、カカオ豆は入っていない。チョコレートの製法にヒントを得て、コーヒー豆をまるごと使って焙煎し、花粉と同程度の微粒子にまで粉砕してコーヒーオイルや植物油脂、砂糖などと混合して作られている。

口に入れる前に鼻から嗅ぐ香り「オルソネーザルアロマ」と、口にした後に鼻に抜けて感じられる口中香「レトロネーザルアロマ」というコーヒーの持つ深い余韻を存分に堪能できる「YOINED」。トロピカルな風味でインパクトがあるコロンビア産と、香ばしさの奥に果実の甘味を感じるグァテマラ産の2種類を展開する。今回はUCCのほうから甲斐さんに「食べるコーヒーに合う日本酒を考えてほしい」という依頼を受けたことから今回のコラボが実現したという。

熟成酒、どぶろく、古代米酒、貴醸酒……個性豊かな日本酒がズラリ

甲斐さんは「YOINED」を最初に食べた際、「少量でも非常に満足感が高い。これ1枚でコーヒー1杯分以上のコーヒーを飲んだみたいだ」と思ったという。そして商品名の通り、その口の中で日本酒と合わせるときに香りの部分でしっかりしているため日本酒に負けない長い余韻と高いアロマがあること、少しずつ口に含んでも飽きないのでだらだらと食べ続けられることなどから日本酒との合わせやすさを感じたそうだ。「実は蔵元にお年賀で渡させてもらいました。お酒好きはコーヒー好きの方も多いので日本酒と合わせてプレゼントするのも嬉しいペアリングだと思います」と語る。

そんな甲斐さんがおすすめする「YOINED」と日本酒のペアリングを実際に試食させてもらった。

まずはコロンビア産の「YOINED」と合わせるのが「七本槍 琥刻」(冨田酒造有限会社)だ。滋賀の老舗蔵である冨田酒造が手掛ける「七本槍 琥刻」は日本酒本来の良さを現代風に洗練させて提供しているブランドのお酒で、こちらは熟成タイプ。

日本酒と食べ物のペアリングのコツは最初に「YOINED」を指の先ほど砕いて口に入れて咀嚼し、口の中で香りがいっぱいになったピークに日本酒を少量流し入れて口の中で合わせるといいのだとか。実際にその飲み方で試してみると、まろやかで酸味も感じられる「七本槍 琥刻」の香りの中にコロンビア産の「YOINED」の持つフルーツのような香りがふわっと浮き出てくるような味わいを楽しめた。

同じくコロンビア産の「YOINED」のペアリングに甲斐氏が選んだのが長野県産の米と南アルプスの水で仕込んだ「黒松仙醸 どぶろく」(株式会社仙醸)。最近流行のポップで飲みやすいどぶろくと昔ながらのアルコールがしっかり効いたどぶろくの中間くらいの味わいで、「YOINED」と合わせると口の中でミルクコーヒーのような味に!

どぶろくは甘さと酸味が絶妙なバランスで度数も低いのでとても飲みやすく、単体だと甘さを強く感じ、「YOINED」と合わせると酸味を強く感じるというペアリングの妙を感じることができた。

次に甲斐さんは、香ばしいグァテマラ産の「YOINED」のペアリングとして「伊根満開(いねまんかい) 古代米酒」(向井酒造)をピックアップ。

この日本酒は古代米(赤米・紫黒米)を使って作る日本酒で、ロゼワインのような色合いと甘酸っぱいフルーティーな味わいが特徴だ。グァテマラ産の「YOINED」もベリーの風味を感じる味なので、組み合わせることでよりフルーティーなワインのような味が口いっぱいに広がった。

もう一つが「オーガニック・ナチュール W 貴醸酒」(仙禽)。貴醸酒とは仕込み水の代わりに日本酒を使用した甘口の日本酒だが、こちらはそこまで甘ったるさがないスッキリ感が味わえる。

デザートワインの一歩手前の甘さだが、濃厚で味わいの生酒はグァテマラ産の「YOINED」の果実感と香りにとてもマッチしていた。

「日本酒はそもそもブレンドする文化」

今回は甲斐さんに自分好みの日本酒の見つけ方や、「Sake World」が展開する日本酒ブレンドについても話を聞いた。

――「自分の好みの日本酒がわからない」人も多いですが、おすすめの好みの日本酒の見つけ方は?

「サケラボトーキョー」のコース料理では季節や日本酒の仕入れによってペアリングが変わるので、たとえば冬の時期であればイチゴの生ハムクリームチーズと新酒のにごり酒のペアリングが人気です。日本酒は季節を楽しむものなので、まずは季節の食材に合う季節限定の日本酒を合わせる飲み方をしていくのがいいですね。

また日本酒をあまり飲んだことがないという方には普段どんなお酒を飲んでいるかを聞くんです。もしワインであればワインに近いフルーティーな香りの日本酒をお勧めしたりチューハイであれば微炭酸が入っている日本酒でアプローチしてみたり。また今の業界で人気な日本酒を上から順から出していくとやはり多くの人に刺さりやすいです。そこでもし「合わないな」となれば、別の方向の日本酒を提案して、どんどん好みを絞っていっていますね。

――Sake Worldでは京都の老舗酒造が共同で数種類の日本酒を掛け合わせたオリジナル日本酒ブランド「Assemblage Club(アッサンブラージュ・クラブ)」を展開しています。ワインのアッサンブラージュの考えを日本酒に応用して作っているものですが、こちらについてどう思われますか?

この取り組みを老舗酒蔵さんたちがやられているのはとてもいいことだと思います。一般の方は「日本酒をブレンドする」というとイメージがつきにくいかもしれませんが、そもそも日本酒はブレンドするのは当たり前だった文化。各酒蔵は完成した日本酒をいくつかブレンドし、その酒蔵の安定した味としてお酒を出荷していたのが本来の日本酒でした。「Assemblage Club」はそういう意味で、日本酒の伝統的な流れを汲みながら美味しさを追求した新しくて現代的なブレンドの形をとても面白いですね。

――「My Sake World」は自分だけのオリジナル日本酒を作ることができる京都の施設です。こちらについては?

これは僕もやってみたいと思いました! 日本酒好きの目線だと、たとえば自分の大好きな有名銘柄が10種類並んでいて、「あの有名な日本酒とこの有名な日本酒を混ぜちゃうの!?」という取り組みだとさらに日本酒オタクは楽しめそうですよね。日本酒に詳しい人ほど自分の好きな日本酒同士を合わせたらどうなるんだろうというワクワク感を持っていると思います。もちろん初めて出会う日本酒を解説や試飲を通して深く知り、ブレンドしてお気に入りの味わいを発見するのも面白い。日本酒のブレンドは家でやろうと思えばやれるものですが、日本酒はどこか1つ1つに作品的な要素もあります。その日本酒を自分好みにブレンドするのは僕たちでも気を遣うタブー的な部分でもあるので、それを冒涜感を味わうことなくやれる企画は絶対に楽しいだろうなと思いました。

甲斐さんのブレンド日本酒が飲める機会も近いかもしれない。

My Sake World京都河原町店の
予約はこちらから

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さいごに

コーヒー商品「YOINED」とのペアリングを通じて日本酒のバリエーションの豊富さと、ペアリングする食材による味の引き出され方の違いに驚いた。また甲斐さんのお話から、日本酒のブレンドは日本酒好きも日本酒初心者も両方の好奇心をくすぐるものであることも実感。今まで味わったことのない味わいを楽しめるペアリングや自分好みの日本酒の見つけ方に正解はなく、その奥深さをいくらでも探求できるのが日本酒の魅力なのだと再確認することができた。

「サケラボトーキョー」での「YOINED」との日本酒ペアリングメニューの提供は2026年2月11日から。興味がある人はぜひお店に足を運んでみてほしい。

サケラボトーキョー

住所
東京都北区十条仲原1-1-7 第3北成ビルB1F
TEL
03-5948-5027
HP
https://www.instagram.com/kaiyu_jp
営業時間
月・水・木・祝後日 18:00~23:30(L.O. 料理22:30 ドリンク23:00) /金18:00~23:30(L.O. 料理22:30 ドリンク23:30)/土・祝前日15:00~23:30(L.O. 料理22:30 ドリンク23:00)/ 日・祝日15:00~22:30
定休日
火曜日

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