参加酒造44社、飲食店30店舗の日本酒がメインになったイベント「＆SAKE FUKUOKA」が福岡国際センターで2024年9月28日・29日に開催された。開始前には福岡の中心都市、天神からバスで来場者が続々と集まり熱気あふれる雰囲気が感じられる。また入場口の白い暖簾がワクワクする気持ちを盛り上げてくれる。会場内の雰囲気、日本酒はどのようなラインナップなのか？体験リポートをお届けする。

 アップテンポのサウンドで盛り上がる

インパクトある大きな暖簾をくぐり抜けると、会場内は照明が落としてあり、まるでクラブのような雰囲気。中央にはやぐらのようなステージが設置されており、1980年代〜90年代の昭和JPOPが爆音で流れる。ステージの周りには、日本の伝統色（くちなし・あかね・ちぐさ・しこん）と白色（焼酎ブース）が施された５つのブース。会場の端には飲食店が並んでいおり、まさしく“秋祭り”を思わせる 。

人気の銘柄は初日でSOLD OUT！時を忘れさせる異世界空間。

コイン3枚で”16＆”（1＆は、約160〜170円）日本酒、焼酎、食べ物が購入できるシステムだ。とにかく日本酒だけでも36の蔵元があり、各蔵4〜6種類の銘柄がズラリと並ぶ。1階はテーブルのみの立ち飲みスタイルで、2階指定席、3階自由席は別料金とエリア分けされている。2階の指定席は事前の売出しからすぐにSOLD OUTになっていたことから、人気のイベントだと分かる。
来場客は、20代から60代の老若男女、家族連れ、友人同士、会社の仲間らしいグループなど多彩だった。

一番人気の蔵元は、「白糸酒造/田中六五」。初日の15時頃にはSOLD OUTするほど。イベント限定酒もあり、列が途切れることはなかった。

多彩な銘柄で興味深かったのは、漫画で有名になった「みいの寿/秋純吟 ポルチーニ」きのこのポルチーニ茸をイメージした香りが特長だそう。クラシックタイプのお酒で日本酒が昔から好きな人におすすめ。ポルチーニは、飲みやすく香りも芳醇で洋食などに合う味わいだった。

30店舗の飲食店では多彩なメニューが並ぶ

飲食店のブースには、お酒に合いそうな寿司や唐揚げ、カニクリームコロッケ、パスタ、ピザ、はかた地どりの炭火焼、関門たこのたこ焼き、もつ鍋に博多豚骨ラーメンなどの食事メニューや、チーズケーキやパフェまで実に多彩なメニューが並んでおり、上質な夜店といった雰囲気だった。

写真は、天神から出店の「百式」のアジフライ、フォアグラ最中、カニクリームコロッケ。カニクリームコロッケを肴に日本酒が進む。カニの旨味が感じられ本格的。隣に居合わせた方は、「田中六五」を飲みながら、シメのぜんざいを堪能していた。「甘みが抑えてあり、日本酒と一緒でも違和感なく味わえる」と笑顔で答えてくれた。

大盛況のイベントから今後の発展に期待

「比良松」と掲げられた赤い暖簾は、朝倉にある蔵元「株式会社篠崎」。多彩な種類が魅力の蔵元で、若い女性が次々にグラスを差し出していた。筆者の知り合いがおすすめしてくれた酒蔵で、地域の方に愛されていることが感じられた。

「池亀酒造」からは見た目がリキュールのように美しいバラ色の「Craft　Sake黒兜ロゼ」
原料に古代米の赤米を10％使用しており、日本酒では珍しく色が入っているとのこと。
このような色の日本酒であればワイン感覚で気軽に飲めるなど、お祝いの席でも重宝しそうだ。

夫婦で酒蔵を運営している福岡県最南に位置するみやま市の「玉水酒造」。「神力」の名前がついた日本酒は、材料に幻の酒米神力を使用しており、ご利益がありそう。地元店にしか流通していないまさに、幻のお酒だ。オンラインストアでは購入ができる。

酒造名を改名して3年目の「七曜酒造」。博多駅のお土産店、住吉酒販さんとコラボ商品の「ゆうま」が有名。遠賀川水域の上質な水を使用するために遠賀郡岡垣町で酒造りを始めたそうだ。

さまざまな蔵元の個性豊かな日本酒が味わえて、満足な時間を過ごせた。多くの蔵元が盛り上がりを見せたイベント「＆SAKE FUKUOKA」は、福岡の日本酒業界をこれからも牽引していくだろう。

ライター：シヴァ
福岡県在住／保育士・Webクリエイターエキスパート所持・IT講師
地域ブログ運用、社内報特派員を経て、フリーライターに転身。電子書籍「子どもの心配をやめたら自分も子どもも自立した話」は、Amazon　Kindleキャリア部門1位獲得。好みのお酒は、モダンでもしっかりとお米の旨味が感じられるタイプ。趣味は家飲み、ゲーム、推し活、読書、旅行

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