純米吟醸 阿波山田錦vintage2009 原酒
諏訪酒造 | 鳥取県
諏訪酒造
蔵のある鳥取県智頭町はほとんどが森に囲まれ、清澄な水と空気に恵まれた林業の町。創業は約160年前にさかのぼり、もともとは智頭宿で旅籠を営んでいたという。
製造および販売の全量が純米酒で、主に町内産の玉栄および鳥取県田中農場の堆肥で育成した山田錦(化学肥料不使用米)を使用。水は鳥取砂丘に砂を運んだ千代川の伏流水。森の自然が与えてくれた清らかな軟水は、井戸から汲み上げたままで仕込み水として用いている。「満天星」をはじめとする純米酒は2年から3年の間常温タンクで熟成させて、旨みとまろやかさを引き出してからの出荷が基本。特に純米大吟醸の「鵬」は3年以上の冷蔵熟成を必須としている。また、鳥取県独自の麹菌スイカ麹を使用した純米酒や、森に棲むモモンガを描いた鳥取県絶滅危惧種ラベルなど、美しいイラストが目をひく銘柄も多い。酒造りの規範として守るのは、長年にわたって務められた広島三津の名杜氏、鳴川喜三氏の残した「天のない酒造り」(酒造りに天、つまりこれで完成、十分ということはない)という言葉だ。この言葉は漫画『夏子の酒』のラストを飾り、また「鵬」が登場するなど作品との縁が深く、併設の販売店「梶屋」では原画の複製ギャラリーを観ることができる。