明鏡止水 純米大吟醸 磨 35
大澤酒造 | 長野県
大澤酒造
北には浅間山、南には蓼科山と二つの山に挟まれ、古くより米の産地として知られる長野県佐久市茂田井(もたい)。この地域には旧中山道の風情を色濃く残す宿場町・茂田井宿があり、旅籠を持たない休息所であったため間宿(あいのしゅく)とも呼ばれた。
大小の蔵が連なる曲がりくねった街道沿いの家並みの中に、ひときわ白壁の美しさと堂々たる風格が目を引く建物が立つ。1689(元禄2)年創業の大澤酒造は、茂田井の名主を長く務めた大澤家が代々営む酒蔵だ。蓼科山の豊かな伏流水を用いて、「大吉野(おおよしの)」「善光寺秘蔵酒」「信濃のかたりべ」「勢起(せき)」など数々の酒が醸してきた。
1989(平成元)年、“人の和が良酒を醸す”を意味する「和醸良酒」を指針に掲げる同蔵は試行錯誤を重ね、新ブランド「明鏡止水」を発表。「一点のくもりもない鏡や静止した水面のように、邪念のない澄んだ心境」を表す酒銘さながらに、澄み切った香味と透明感のある味わいを持つこの酒で一躍注目を集めた。1993(平成5)年より、十四代蔵元の弟も蔵入りし、兄弟二人三脚で理想の酒を追求し続けている。