三条猪熊おおはし
深夜まで多彩な料理と酒でもてなしてくれる路地奥のオアシスは、猪熊六角そばの提灯を目印に。
賑やかな三条会商店街から猪熊通を下がった西側、通り沿いに掲げられた提灯を目印に路地奥をのぞくと、[おおはし]の白い暖簾と店の明かりが見える。昭和初期の町家の面影を程良く残した店内は、ハイスツールが並ぶカウンターや、テーブル代わりのドラム缶があり、立ち飲み居酒屋らしい渋さとひとり客でも気負いなく過ごせるカジュアル感のバランスが絶妙で、居心地のいい空間。 料理は、その日仕入れた鮮魚や野菜を使ったお造りや酒肴が提供される。カウンターの大皿料理も魅力的。店主の大橋さんが、修業時代にお世話になった居酒屋の店長が九州出身だったことから、九州ゆかりの料理が並ぶことも。気になる日本酒は、常時3~4銘柄ほどが揃う。「スッと入ってくる、飲みやすいお酒を選んでいます。銘柄にはこだわらず、その時々でいろいろなものを仕入れています」と大橋さん。取材日の冷蔵庫に控えていた「黒牛 純米酒」(和歌山・名手酒造店)や「小左衛門 純米吟醸」(岐阜・中島醸造)は、食中に合う人気銘柄。岩手・喜久盛酒造の「タクシードライバー」や、群馬・龍神酒造の「尾瀬の雪どけ MANHATTAN」は、味わいの良さはもちろん、ネーミングやラベルにも惹かれてついオーダーしそうに。日本酒は一合950円。半合500円で飲み比べて、好きな銘柄を探すのも楽しい。手書きの献立には魅力的なアテが並ぶが、オーダーに迷ったら料理をあれこれ盛り合わせた「ちょこっとずつ盛り」(1500円)からスタートしてみては。「ツナサラダ」(495円)は、マヨネーズで仕上げた定番のメニュー。締めには、鶏ガラを煮込んだ白湯スープが太麺によく絡む長崎風のちゃんぽん(1320円)も味わいたい。
2階には4名~10名程度で貸切できる予約制の座敷があり、6600円のコースで楽しむのもおすすめ。深夜まで開いているので、1軒目としてしっかり楽しむのも良し、2軒目、3軒目に訪れて、締めの一杯を楽しむのもいいだろう。