洋から見た酒の可能性 
 [CAMPARI]×[Because,]コラボイベントを振り返り
					
				
				日本酒同士のブレンド普及につとめるSake Worldだが、酒全体に目を向けると、Assemblage Clubの語源でもあるワイン、混酒ことカクテルはそれ自体が前提としている。そんな両者を取り扱う「Because,」と「CAMPARI」が東京・六本木にて一夜限りのコラボイベントを開催。
 
			新境地開拓
イベントは、レム六本木にある「CEDAR THE CHOP HOUSE & BAR」にて2025年9月29日開催。
「知れば知るほど、ワインはおいしい」をコンセプトにするBecause,は、カジュアルに、リラックスに楽しめるワインを展開している。この日も代表・吉田淳さんを中心に、様々な銘柄を提供。

イタリア・ミラノで1860年に創業したCAMPARIは、世界でも有数の洋酒メーカー。現在は50を超えるブランドを展開する中、日本に関しては100%子会社であるCAMPARI JAPAN 株式会社が事業展開。この日は代表取締役社長阿部哲さんや、執行役員若林洋介さんが来場。代表ブランド「CAMPARI」「APEROL」の冠がついた銘柄を提供。


フードはビュッフェ方式で提供し、一見するとダブルペアリングの様相だが、本イベントの神髄は“共演”。Because,のワインとCAMPARI・APEROLの両リキュールを、CAMPARIブランドアンバサダーをつとめるバーテンダー小川尚人、白川智也両氏が考案したスペシャルカクテルが振る舞われるというものだ。



そこにSAKEがあるから
冒頭述べた通り、洋酒の世界においてブレンドは“身近”な存在といえる。しかしながらそれは製品レベルの話で、酒同士のクロスとなるとそうとは限らないようだ。
そのことを指摘したのが吉田さん。
Because,を通じて、ワインとの距離感を縮める取り組みを推し進めているそうで、こと日本酒においても過去に獺祭とのコラボを実施したそう。
言われてみると、ワインはそれ自体にストーリーやテロワールがあり、“完結”している。そこに“異分子”が入ることは、さして想定されていない。そういう観点では、日本酒と同じくらいのブレンドに対する敷居があるともいえる。なお、業界全体で見てもBecause,のアプローチは画期的という。

挨拶をする吉田さん。
それに対し、「お話をいただき、ぜひやってみたかった」と挨拶で阿部さんが話していたのがCAMPARIサイド。
この日小川さんや白川さんが披露したように、酒起点にさらなる“新商品開発”に勤しみ、そこで生まれる化学変化の趣を体感しているからもあってか、“受け入れ”に寛容だったといえる。
ちなみに、先日は焼酎メーカー「いいちこ」ともコラボをしたといい、“守備範囲”も広いようだ。

挨拶をする若林執行役員(中央)。右で聞き入っているのが阿部社長。

この日提供されたワインカクテルは、仮にバーで「商品」として出すとすれば、客からの支持率如何で売上に直結する。
であるならば、成功事例を増やすため、「新酒」を取り入れる機会は多いに越したことはないだろう。
小川さん・白川さんとも「作品」に対するエピソードをそれぞれの視点で紹介したが、両人とも少なからずプレッシャーがあっただろう制作過程においても、どことなく楽しげに振り返っていたのが印象的だった。

小川 尚人さん Campari Group ブランドアンバサダー/CAMPARI Cocktail Competition Asia 2018 日本チャンピオン

白井 智也さん。 Campari Group ブランドアンバサダー、フレンチシロップのブランドアンバサダーもつとめている
和洋融合
Sake Worldでは日頃から「和」視点からブレンド酒に取り組んでいるが、洋においては一定の完成の域に至っている印象を少なからず抱いていた。本イベントを通じ、洋の世界でも余地はまだ多く存在すると実感した。

そう考えると、本イベントでもし仮に日本酒も合わせて提供されたとしても、そう違和感がないようにも思う。
ブレンドに限らず、ハイボール、カクテル、ジュース割りなど、近年の日本酒は、楽しみ方に多様性を持たせつつある。ワインと同じく、「そのまま飲む」が依然としてスタンダードではあるものの、幅は確実に広がってきている。
この場に例えば一升瓶数本がラインナップに加わっても、それに対するネガティブな感情はさほど抱かれていない印象も抱く。それすなわち「和洋折衷」ではあるが、和も洋もかつてほど独立しておらず、製法を除けば寧ろ同化してきているのではないだろうか。そもそも和洋折衷は幕末から出てきた言葉であるが、その後の明治時代の文明開化を経て、インバウンドが多数流入している現代日本においては、もはや「折衷」ではなく「融合」が近しい表現かもしれない。
よく酒は「コミュニケーションツール」と形容される。この日も多くの来場者が笑顔になりながら楽しんでいた。それは提供者側も同様だ。


「多くの人が楽しむための場所」を作るため、酒が表現する方法にはまだ多くの手段があることを実感した夜となった。
 
						 
					












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