[京料理 直心房さいき]×[HEAVENSAKE] 菊月スペシャルディナーを開催!イベントの様子をレポート
9月(菊月)の京都でまだ暑さの残る中開催されたのは、世界10ヶ国以上に展開しているラグジュアリー日本酒ブランド[HEAVENSAKE]と、京都祇園で2011年から7年連続ミシュランひとつ星獲得の[京料理 直心房 さいき]によるペアリングディナー&ランチだ。洗練された味わい同士でのペアリングの妙を紹介する。

HEAVENSAKEとは

レジス・カミュ氏
日仏合作のアッサンブラージュ日本酒として、現在世界10ヶ国以上に展開しているラグジュアリー日本酒ブランドだ。2024年11月に日本初へ初上陸。なんといっても注目は、アッサンブラージュの神とも謳われたシャンパーニュ界のレジェンド「レジス・カミュ氏」が直接日本各地の蔵をめぐり、選び抜かれた銘柄を使用してアッサンブラージュを手がけているという点だ。香水のように香らせたり、ブレンドによってシャープさを増すなど信じられないテクニックによって味わいが生み出されている。
アンバサダーによる解説を道標に

HEAVENSAKEアンバサダーの浜田(前田)阿希子さん
今回のイベントはドバイから来日したHEAVENSAKEアンバサダーの浜田(前田)阿希子さんによる解説付き。普段はドバイを中心に活動しているが、出身は三重県で定期的に日本へは帰郷されているとのこと。15年以上前から唎酒師の資格を持ち、様々な日本酒の活動をしてきた。旧姓は前田さんで、関西の方なら聞き覚えのある方もいるかもしれない。元MBSのアナウンサーとして2006年から2017まで在籍。記憶に残るのは土曜日の人気番組で昼時に放送していたグルメコーナーを担当していた姿だ。
ラジオやコラムなどを通じて長年にわたり日本酒の情報を発信しており、その延長が今であり、ドバイでも日本酒の普及活動を続けている。故にアンバサダーとして就任した訳だが、日本酒の知識はもちろん、何より元アナウンサーによる解説ということで、説明が上手なのは言わずもがな。丁寧な解説によって参加者は頷きながら箸を進めていた。美味しさに夢中になり無言になる時間と、質問が飛び交う時間が交互に訪れ、質問内容からも参加者が食通だと感じ取れる。
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♯アッサンブラージュ
イマジナティブなSAKE
[直心房さいき]オーナーシェフの才木さんはワインにも精通しており、過去にはシャンパーニュとのペアリングディナーなども開催してきたと言う。初めてHEAVENSAKEを試飲した才木さんは「これはすごい、綺麗な味わい。フランス・シャンパーニュの権威が日本酒をアッサンブラージュしたと聞いて、どんなものかと身構えていたが、ノワールは刺身をはじめ何にでもよく合う。おどろいた」とのこと。試飲と同時に合わせる料理の案が次々浮かんだそうだ。つまり、HEAVENSAKEはそのようにイマジナティブな日本酒なのだと言える。当日実際に提供された献立は以下のとおり。
<特別御料理 菊月>
・先付 丸仕立て 鼈胡麻豆腐 小芋 オクラ 色紙葱 露生姜
・坪 茄子鰊 加減酢ジュレ 山葵 大菊
・向 秋刀魚、アコウ 大葉 瓜剣 より南京 紅心大根 穂紫蘇 山葵
・椀替り 鱧しゃぶ仕立て 松茸 三つ葉 ちり酢
・八寸 菊釜 菊菜 毛蟹 坂本菊 鴨と無花果 渋皮栗 市松長芋サーモン 鵜玉鱧の子 銀杏松葉差し
・焼肴 子持ち鮎味噌幽庵焼き 舞茸胡麻よごし 守口大根松葉差し
・蓋物 百合根饅頭 鰻 胡桃 車海老 絹さや 銀庵 露生姜
・御飯 ぐじ飯 香の物 煮麺 連餅
・シャインマスカット ナガノパープル フランス産桃の寄せ物

左よりレーベル・ノワール・/レーベル・アズール/レーベル・オレンジ
HEAVENSAKEは、料理との相性を考えノワール、アズール、オレンジの順で提供。浜田さんの考えるHEAVENSAKEと才木さんの素材へのこだわりについては事前の打ち合わせで突き詰めており、酒も込みでの創作活動は実にクリエイティブで難しい。だからこそ面白みがあり、昨今ペアリングイベントが増えている理由だ。9月のまだ暑い時期。端境期ではあるものの和食ならではの、走り、旬、なごりが織り混ざった素晴らしいご馳走に、参加者は舌鼓を打っていた。
1杯目、ノワールの繊細でキレのある味わいはあらゆる食材の風味を損なわない。スッとなくなる後味も芸術的だ。スッポンの濃厚な出汁スープから繊細なアコウのお刺身まですばらしくフィットする。新澤醸造店の超高精米・吟醸づくりの酒がベースとなった素晴らしいアッサンブラージュSAKEだ。よく磨き込んであるまるで鏡面のような味わいは食材の良さを写す鏡だ。
2杯目、アズールは七賢ブランドで知られる山梨銘醸株式会社とともに製造。洋梨、りんご、ブドウのようなフルーティーさがありながら、ややドライで控えめな酸味と滑らかな飲み口が感じられる、しかしながら米の豊かな風味が詰まった日本酒だ。鱧と松茸に合わせたとたん、夏から秋へと季節を移す風が喉元を通り抜け“うまい”と言わせてしまう魔法の美酒。美しい青いボトルから稲穂が浮かび上がる。
3杯目、オレンジは滑らかなテクスチャーが心地よく、味も香りもリッチにも関わらずドライな締めくくり。口に含むと、パイナップルやライチの爽やかな果実味が広がり、少しずつ青りんごやメロンの甘美な香りが交錯。最後は優雅な花の香りが残り、ドライフルーツの余韻が芳醇さを印象づける。炭火で焼いた鮎の味噌幽庵焼きのスモーキーな味わいにもしっかりと寄り添いつつ、秋の味覚をさらに彩る。
最後にデザートに合わせて登場したのは「Assemblage Club 01 Taro’」こちらもアッサンブラージュの日本酒であるが、HEAVENSAKEに比べ重く甘味。こちらは京都の3蔵による蔵を超えたアッサンブラージュである。
楽しい時間はあっという間。今回はディナーの会とランチの会を同じメニューでの開催だったが、みなさんが楽しまれていた様子を見て、さぞかし美味しかったのだろうと想像する。これからも古くて新しいアッサンブラージュ日本酒の世界を届けていきたい。
そして、今回は3銘柄の中から「HEAVENSAKE 純米吟醸 アズール」が採用されオンメニューされることとなった。ペアリングを考えずとも幅広い味わいに合わせられるオールマイティーなタイプだ。是非[京料理 直心房 さいき」でご賞味あれ。
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♯アッサンブラージュ
文:Sake World 編集部

京料理 直心房 さいき
- 住所
- 京都府京都市東山区上弁天町443−1
- TEL
- 075-541-8630
- 営業時間
- ランチ 11:30~14:30(L.O. 13:00) ディナー 17:30~22:00(L.O. 19:30)
- 定休日
- 水曜日