基盤があるから挑める新機軸「KIDOU Global Conference」レポート
2025年9月18日、グラングリーン大阪で開催された国際展示会「KIDOU Global Conference」。AI・IoT・Web3といったデジタル領域で事業展開するスタートアップが集結したイベントに、Sake Worldはブース出展とセッション登壇で参加。万博を機に、未来先端都市の地歩を固めつつある大阪において、お隣京都より取り組む日本酒RWAの取り組み内容を紹介。

「日本酒×Web3」
2025年現在、Sake Worldは6つの事業を展開している。そしてその“領域”は広い。
「KIDOU Global Conference」では、日本酒マーケットプレイス「Sake World NFT」や酒蔵ブランドオーナーサービス「Sake World 酒蔵投資」で用いているWeb3(NFT)活用という観点での参加となった。
最新デジタル技術であるため、それらを用いる事業群を見渡す中で、Sake World(日本酒)は異色の存在だ。
経営者・起業家・投資家など様々なビジネスパーソンが国内外から来場し、代表中川による全編英語でのピッチセッションには衆目を集めた。

ピッチセッションでSake World事業を紹介する中川
NFTの現在地
Sake WorldにとってのWeb3活用は、事業全体の一領域に留まる。デジタルも含めた多彩な切り口より、日本酒の価値を高めるアプローチをしているためだ。
それでもブース・ピッチ双方において、ことデジタル領域での取り組みに限定しても高い関心を寄せられた。訪問者の中には、これからNFTを活用した事業立ち上げを検討する方も含まれ、既に一定の動きを見せているSake Worldは、今後ベンチマークにしておきたい存在だったのかもしれない。

来場者からの質問にこたえる中川
例え100%でなくてもかまわないーー活用できていることが重要なのだーー
Web3そしてNFTは、当初描いた未来予想図とは異なる状況に置かれているかもしれないが、それでも新技術に対する期待値は依然としてあることは確かだ。
基盤があるからこそ
【日本酒×Web3】としての参加だった「KIDOU Global Conference」だが、ブースでは“リアル領域”も合わせて展示した。
Sake Worldでは、オリジナルブランド日本酒「Assemblage Club」の現行ボトルに、うなぎ料理専門店[四代目菊川]で提供している「清六」といったオーダーメイド品の酒瓶。さらにオリジナル日本酒づくり体験施設『My Sake World』でスタッフが纏う法被などを紹介。
また、リーフ・パブリケーションズ創業時から展開する京都・滋賀のタウン情報誌「Leaf」も合わせて用意。2023年をもって紙媒体は休刊し、現在はWeb媒体「Leaf KYOTO」としての運営となっているLeafだが、当時を知る読者は少なからずいたようだ。まず誌面に目が止まり、そこから足を止めてブース全体に目を向け、そして“新規事業”の存在を知る…という流れも数多く見られた。

京都・滋賀のタウン情報誌「Leaf」。2023年まで紙媒体で発行していた
ちなみに、運営会社リーフ・パブリケーションズが日本酒に関わってきた歴史は長い。例えば、毎年11月にある「伏見の清酒まつり」は、2015年から開催しているが実は当初から運営を担っている。他にも様々なコンテンツを生み出してきており、そこから得た知見や、酒蔵や酒造組合との信頼関係が基盤として存在する。
「ローマは一日にして成らず」という格言があるように、事業を興すのはそう簡単なことではない。いわんや2000年もの歴史を有する日本酒を取扱商材とするなら殊更だ。
Sake Worldを第二創業の中心に据え“起動”しているリーフ・パブリケーションズだが、そこには長く培われてきたベースがあってのものだと、新機軸視点から気づくまたとない機会となった。