たかつじ佳粋
【たかつじ佳粋】隠れ家的割烹料理店で地酒と店主の腕前に酔いしれる
隠れ家的割烹料理店で
地酒と店主の腕前に酔いしれる
高辻御幸町のビルを奥へ進むと、真っ白な扉が出迎える。勇気を出して店に入ると、カウンター越しの店主の笑顔に思わず気が緩む。京都の[枝魯枝魯(ぎろぎろ)]で腕を磨いた店主の澤井さんが今年の春に開いた[たかつじ佳粋]は、すでに常連客も多い割烹料理店。お店の挨拶代わりに、2回目の来店までは最初に一汁二菜を提供するスタイルだ。一汁三菜でないのは、一品が頼めなくなるといけないという心遣いから。日本各地から厳選した約10種類の日本酒は、お米の旨みが感じられる旨口が中心。−5℃で管理されており、いつでもベストな状態でいただける。
割烹のイメージを覆すコンクリートの壁がスタイリッシュな店内。
10席のカウンター奥には、4名のテーブル席が設けられている。
おすすめの料理
鴨の山椒焼 ハーフ1,210円 1枚2,200円(写真はハーフ)
炭火でじっくり焼いた柔らかな鴨肉に特製ソースをかけて。鴨の脂とスジを丁寧に下処理し、山椒の粒と粉を合わせたソースが爽やかに香る。フレッシュなオレンジと合わせていただくと、より一層さっぱり。
サワラとアコウのお造り 1人前880円〜
今も中央卸売市場の魚部門で働いているという店主が旬の魚を仕入れる。この日は、高級魚として知られるアコウと岡山産のサワラをお造りに。店主のお気に入りだという織部焼きのお皿が料理を引き立てる。
うなぎ豆腐(一汁二菜2300円+税の一汁)
一週間ごとに内容が変わる一汁二菜。この日は、豆腐でうなぎを挟んだ「うなぎ豆腐」に着想を得た腕物。ふわふわの「ひろうす」の中には、タレ焼きしたうなぎが。餡はカツオと昆布の合わせダシに九条ネギを合わせる。
夏らしさ満点の日本酒
日本酒はグラス770円〜
紗利 風凛 辛口純米大吟醸(福井県/毛利酒造)
凛とした風のように吹き抜ける後味が夏にぴったりの銘柄。キリッと引き締まった口当たりとバランスの良い酸味で飲みやすく、刺身や焼き魚など、旬の魚に合わせるのがおすすめ。暑い日は、冷酒でより涼やかに。
夏雲 特別純米生原酒(島根県/富士酒造)
夏雲を連想させる雄大な旨みをイメージした、フレッシュで濃厚な生原酒。しっかりとした飲みごたえが夏の料理とも相性がよく、食欲をそそる。こだわりの酒米は、蔵元がある出雲で減農薬栽培された「佐香錦」。
山形正宗 夏ノ純米(山形県/水戸部酒造)
夏夜に打ち上がる花火のラベルが可愛らしい夏酒。スッキリと軽やかながらも米の旨みが奥深く、料理をしっかり受けとめてくれる。ライチのような爽やかな香りが実に夏らしく、花火のように華やかな余韻が後を引く。
愛される店のワケ
澤井さんのトレードマークは黒い丸メガネと蝶ネクタイ。お客さんに覚えてもらえるようにと独立前からはじめ、今ではすっかりお馴染みだ。三日に一度変わるメニューは、何度来ても飽きないように。気軽に通ってほしいという思いから、価格も抑えめ。食材へのこだわりは言うまでもないが、決して高級なものばかりではない。お造りに添えられた菊の酢の物一つとっても細かい仕事が施されており、妥協のない仕込みが食材の良さを何倍にも引き出す。澤井さんの人柄と料理へのこだわり、一度訪れれば店のファンになることが頷ける。
たかつじ佳粋
- 住所
- 京都市下京区茶磨屋町233 アネックス2番館102Googlemapで開く
- 営業時間
- 平日17:00~23:00(LO/22:00) 土・日・祝16:00~23:00(LO/22:00)
- 定休日
- 不定休