酒蔵数が全国1位で知られる新潟県。酒どころである新潟のお土産におすすめな日本酒5本を、JR新潟駅直結の［ぽんしゅ館 新潟驛店］の店長・原さんに教えてもらいました。新潟に訪れた際の参考にしてみてください。
また、ワンコインで唎酒できる「唎酒番所」のレポートもお送りします。

県内の88酒蔵、約300銘柄を取り扱う！新潟土産の宝庫

2013年、JR新潟駅直結の商業施設［CoCoLo新潟 西館（現：CoCoLo新潟メッツ館）］にオープンした［ぽんしゅ館 新潟驛店］は日本酒とお酒に合う食品を中心に取り扱う。また唎酒マシンがずらりと並ぶ「唎酒番所」では、新潟にある全酒蔵の銘柄が気軽に楽しめる。

そのほかに、オリジナル菓⼦や⽶菓、お⽶に会う⾷品など新潟⼟産を揃え、コシヒカリで握るおにぎりを販売する爆弾おにぎり家のある［ぽんしゅ館コンプレックス］、県内の職⼈の作った道具が揃う［ぽんしゅ館クラフトマンシップ］の3つに館内で分かれている。
また新潟県の越後湯沢駅、長岡駅にも店舗がある。

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店長 原 憲ニさん

プロフィール

新潟県新潟市出身。東京で輸入車の営業職をした後、2021年［ぽんしゅ館 新潟驛店］の店長に就任。推し日本酒は田友。

淡麗辛口だけではない！新潟の日本酒の魅力って？

新潟県の蔵元数は88蔵で全国1位、清酒の生産量は全国3位を誇る日本有数の酒どころだ。
また『久保田（くぼた）』や『八海山（はっかいさん）』など、日本酒好きに知られるメジャーな銘柄のほか、近年は若き蔵人が活躍する酒蔵やクラフト醸造酒も注目を集めてる。

そんな新潟の日本酒はすっきりとした淡麗の味わいが特徴とされているが、近年は淡麗辛口のひと言では語れないほど、バリエーションが豊富なんだそう。

「最近の傾向として淡麗⾟⼝だけでなく、甘めのお酒を造る蔵も増えてきていますし、ここ最近は無濾過生酒や熟成古酒など、濃厚さを感じられるお酒も⼈気ですね。新潟だから淡麗辛口と思わず、種類の豊富さを楽しんで自分に合う日本酒を選んでもらえたら」と原さん。

500円で新潟全酒蔵を唎酒できる「唎酒番所」

そして、ぽんしゅ館といえば新潟県内にある全蔵の酒を試飲できる「唎酒番所」。受付で500円を支払うとお猪口とコイン５枚がもらえ、ズラリと並んだ唎酒マシンから好みの地酒が選べる。（お猪⼝は要返却。店内で別途、購⼊できる。）

いろんな種類の日本酒を立ち飲みスタイルで飲み比べられる。（コインの枚数は銘柄によって異なる。）

奥のファーストクラスカウンターではコイン3枚以上の日本酒が⽤意され、スタッフが提供してくれる。どのお酒にするか迷ったときは、唎酒マシンに記載されている銘柄ごとの味わいの特徴や紹介コメントを参考にするのが良さそう。黒板には先月の人気銘柄がランキング形式で記載されているので、そちらもぜひ参考に。

また毎年3月に実施される日本酒の一大イベント「にいがた酒の陣」に出品しない蔵のお酒を、開催前に楽しむために訪れる人もいるんだとか。同イベント当日は混雑するので、開催の数日前〜前日に行くのがおすすめとのこと。

お土産におすすめな5本！バリエーション豊かな新潟の日本酒

原さんがすすめてくれたのは、ぽんしゅ館限定も含めた5本。どのお酒も「唎酒番所」で提供されているので、試しに飲んでみて気に入ったら購入というのもおすすめ。

■彌彦 極
やひこ きわみ
酒蔵名／弥彦酒造（新潟県西蒲原郡）
特定名称／その他
原材料／米、米こうじ（国産）、醸造アルコール
味わい／やや辛口
価格／720ml 1375円
アルコール分／16度
精米歩合／非公開
唎酒番号／22

弥彦産米使用。泉流「神の水」仕込みの香り良い普通酒。

原さん「⼈気ランキング１位が続き、殿堂入りしたお酒です。やや⾟⼝ですが、とてもキレのあるお酒で毎⽇飲んでも飲み飽きない普通酒です。」

■イットキー
酒蔵名／玉川酒造（新潟県魚沼市）
特定名称／純米吟醸酒
原材料／米、米こうじ（国産）
味わい／甘口
価格／720ml 1800円
アルコール分／12.5度
精米歩合／60%
唎酒番号／57

ヨーグルトのような甘ずっぱい香りと爽快な味わいが飲みやすい。大体の日本酒がアルコール度数15パーセント前後なのに対して、12.5度と低め。

原さん「日本酒の扉を開くという意味で鍵のマークがラベルにあしらわれています。アルコール度数が12.5パーセントで、日本酒初心者の方でもすごく飲みやすいお酒です。炭酸で割るのもおすすめです。」

■越の寒中梅 純米吟醸原酒
こしのかんちゅうばい じゅんまいぎんじょうげんしゅ
酒蔵名／新潟銘醸（新潟県小千谷市）
特定名称／純米吟醸酒
原材料／米、米こうじ（新潟県産米100％使用）
味わい／やや辛口
価格／720ml 1650円
アルコール分／17度
精米歩合／77%
唎酒番号／55

角のないまろやかな酸味、ふくよかな味わいでゆっくりと飲めるお酒。ぽんしゅ館限定酒。

原さん「華やかさと力強い辛さが残りますが、しっかりキレもあるところが魅力。食中酒としても良いと思います。ぽんしゅ館限定酒はこちらも合わせて4銘柄あります。」

■田友 特別純米
でんゆう とくべつじゅんまい
酒蔵名／高の井酒造（新潟県小千谷市）
特定名称／特別純米酒
原材料／米、米こうじ（新潟県小千谷市産「超淡麗」100％使用）
味わい／中辛口
価格／720ml 1595円
アルコール分／16度
精米歩合／60%
唎酒番号／54

喉越し、キレの良さ、ふくよかな味わいと三拍子そろったバランスの良いお酒。2022年の全国燗酒コンテストで金賞を受賞した登録店限定酒。

原さん「お米のふくよかな旨味にほどよい酸味もあって、とても飲みやすいお酒です。熱燗からぬる燗、冷まで温度帯によって香りが変わるので、いろんな飲み方を楽しめます。」

■越後鶴亀 ワイン酵母仕込み 純米吟醸酒
えちごつるかめ ワインこうぼじこみ じゅんまいぎんじょうしゅ
酒蔵名／高の井酒造（新潟県小千谷市）
特定名称／純米吟醸酒
原材料／米、米こうじ（国産）
味わい／甘口
価格／720ml 1760円
アルコール分／13度
精米歩合／60%
唎酒番号／93

清酒酵母ではなくワイン酵母を用い、醸したワイン酵母仕込み。甘い上立香、爽やかな酸味、やさしい甘みが感じられる。

原さん「ワイン酵母で仕込んでおり、日本酒が苦手な方にも、試していただきたいお酒。甘さのバランスがすごく良くて食前酒はもちろん、食中酒としてもいろんな料理に合わせやすいです。ワイングラスで飲むのもおすすめです。」

“新潟を有名にする”ために、新潟の日本酒を世界へ

今後のぽんしゅ館の試みについて聞いてみると、ゆくゆくはアメリカ・ニューヨークへの進出もありえるかもしれないという話が浮上した。
「弊社の社長は将来的にはニューヨークに出店を考えているそうです。お店のコンセプトが“新潟を有名にすること”なので、世界で日本酒の需要が高まっているというのもありますし、世界の中心という考え方もあるんだと思います。実は今着ている制服もニューヨーク出店を想定したデザインなんですよ。」と原さん。

最後に新潟の魅力を聞いてみると、四季折々の景色が楽しめ一年中観光にぴったり。

「新潟は四季がしっかり感じられるところが魅力だと思います。春は桜が綺麗ですし、夏は長岡の花火大会や海でのアクティビティ、秋は山々の紅葉、冬は越後湯沢でスキーなんかが楽しめます。月岡の温泉はぜひとも行ってもらいたいですね。あとはB級グルメなんかも人気です。
ぜひ新潟に立ち寄ってもらって、ぽんしゅ館にも足を運んでもらればと思います。」

Instagram /＠ponshukan_niigata

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