月の桂 「稼ぎ頭」
増田德兵衞商店 | 京都府
増田德兵衞商店
江戸時代初期に創業した[増田德兵衞商店]。現在も昔と変わらぬ厳冬期のみの仕込みで、素材の声に耳を傾けながら丁寧に醸す酒造り。1964年に13代目当主が日本で初めて発明した「スパークリングにごり酒」はまるで「米のシャンパン」。
1675年、江戸時代初期に創業。当時は羅生門からまっすぐ南へ伸びる鳥羽作道に面して建ち、京から西国へ向かう公家の中宿も務めた歴史を持つ。
鳥羽伏見の戦いで罹災した後に現在地にて再興し、作家や墨客をはじめとする酒仙たちに広く愛されてきた。現在も昔と変わらぬ厳冬期のみの仕込みで、素材の声に耳を傾けながら丁寧に醸す酒造り。唯一無二の洗練された味わいで世界中にファンを増やし続けている。
そんな増田德兵衞商店を語る上で外せないのが、1964年に13代目当主が日本で初めて発明した「スパークリングにごり酒」。瓶内二次発酵により発生したきめ細やかな泡が舌の上で踊り、その感覚はまるで「米のシャンパン」。にごり酒らしからぬドライでシャープな味わいに驚く。また、1965年から貯蔵をはじめた長期熟成「純米大吟醸古酒」も、この蔵が元祖を掲げる日本酒ジャンル。磁器の甕でじっくりと熟成させた琥珀色の一献は、カラメルのような甘さとスモーキーな苦味が複雑に絡み合う。