Sake World 酒蔵投資

投資で人と人の「つながり」を生む
コワーキングスペース運営者から見た「酒蔵投資」

2025年3月17日より、小口化された商標権を購入することで日本酒の酒蔵に投資できる新サービス「Sake World酒蔵投資」がスタートした。すでに全国各地の日本酒ファンから支持を集めている本サービスについて、投資を始めた人々はどのような想いを抱き、どんな展望を描いているのか――実際の声を取材した。

吉永様
  • この記事をシェアする

「Sake World酒蔵投資」は小口化された商標権を購入することで、日本酒の酒蔵への投資を可能にする新たな投資サービスである。

購入者は、購入証として発行された商標トークンを受け取ることで、当該商標を用いて日本酒を製造する酒蔵「Sake World牧野蔵」から、50年以上にわたる配当収入を得られるほか、希少な日本酒の優先購入権や「Sake World」ロゴの一部使用権など、さまざまな権利やベネフィットを享受できる。

本記事では、本サービスへの“出資”を決断し、実際に支援を行っている株式会社マスターピース代表・吉永亮さんに、その想いをうかがった。

この方に話を聞きました

吉永様
株式会社マスターピース代表 吉永 亮さん
プロフィール
1985年8月5日兵庫県西宮市生まれ。2020年に株式会社マスターピースを立ち上げ、大阪福島にてコワーキングスペース「GRANDSLAM」の運営を行う。

1. 大阪でいちばん、巻き込まれる場所を作るコワーキングスペース

「成長・共創・つながり」が生まれ続ける社会の実現をビジョンとして掲げるGRANDSLAM(グランドスラム)。JR大阪環状線福島駅から徒歩1分という好立地を活かし、「大阪でいちばん、巻き込まれる場所を作る」ことを目標に、数多くの人たちの間に意味のある「つながり」を構築し続けている。

代表の吉永さんは2019年9月に「コワーキングスペース GRANDSLAM」を開業。  2020年4月に株式会社マスターピースとして法人化した。

GRANDSLAM内観

―GRANDSLAM開業までのキャリアは?

吉永さん(以下略)「人材紹介業を行う企業に勤めており、ITや人材が自分のキャリアの中心になります。サラリーマン時代から自主的に交流会を主催しており、いつか自分の場所を持ちたいと思っていたんです。その後、人材紹介業の『サードプレイス』、そして現在の『マスターピース』という2つの会社を同時に立ち上げました。後者の方は、コロナ禍に入ったこともあり厳しい状況が続きましたが、現在は『GRANDSLAM』の運営一本という形になっています」

―GRANDSLAMのコンセプトは?

「スタジアムのようなコワーキングスペースを目指しています。みんなが選手のようにスポットライトが当たり、お互いに応援しあえるようなオフィスだったら面白いなと思っています。単なる『オフィス』ではなく、つながりが生まれる『コミュニティ』を作っていきたいですね」

GRADSLAM内観

▲GRANDSLAMの壁一面には、スポーツスタジアムのように参加企業の広告が展開されている

2. 日本酒は大勢で飲んだほうが美味しい

―これまで日本酒との関わりは?

「『GRANDSLAM』ではイベントを毎日のように行っています。その中で、日本酒をプレゼントにいただくことが多いんですよ。本数があるので全部は飲みきれず、どんどん場所をとっていくようになりました(笑)そこで、日本酒を好きな人を集めてイベントを開催するようになったんです。

わたしは、お酒はたくさん飲むタイプではなく、日本酒も周りが飲んでいれば飲むというスタンスでした。ただ、日本酒好きな人は熱量が高く、そういった方と関わっているうちに日本酒の歴史や文化といった深い部分を理解しました。酒蔵と地域の関わりなどを知り、実際に飲むと美味しい。甘口や辛口といった味わいの違いがあることも、この年になって初めて学んだんです」

日本酒会

▲「GRANDSLAM」での日本酒会の様子

―イベントを通して日本酒を知ったのですね。

「事の発端としてはたくさんある日本酒を飲もうということだったのですが、美味しい料理とお酒を囲み、初対面の人でも『日本酒』というキーワードでつながれる点は僕たちらしくていいなと感じました。

参加者の中には自宅にある日本酒を持参してくださる方も少なくありません。そこで気がついたのは『日本酒は1人よりも大勢で飲んだほうが美味しい』ということです。その銘柄についてのストーリーを語り合いつつ、『面白いね』とみんなで楽しめる。日本酒はそういった特別な面を持っているなと感じています」

吉永さん

3. 投資を通して人のつながりが生まれる

―酒蔵投資を行った理由は?

「投資はある種の『応援』だと考えています。上下があったとしても投資先とのつながりができますし、応援しているという言葉だけじゃなくて、気持ちの表明になるなと思っています。

もちろん、運営元がどこかは重要ですが、Sake Worldの担当者様とは日本酒会を通して顔見知りでしたし、一口あたりも比較的安価なので投資自体はすぐに決定しました」

吉永様

―投資リスクについては?

「投資を募るということは、それなりにプランがあるはずです。『こうなりたい』という想いがある人に投資家は投資するわけじゃないですか。そういう気持ちがある方たちと仕事がしたいですし、将来的に『こんなのはどう?』といった話ができれば面白いなと感じています。投資を通して人のつながりが生まれることは、ある種スポンサーに近いかもしれません。

お金という直接的なリターンというよりも、お酒というキーワードで僕たちの事業につながったらいいなと思っています。いつか、酒蔵投資をやっている人たちのイベントを『GRANDSLAM』で開催してみたいですね」

4. 日本酒をキーワードに人がつながる

―吉永さんにとって日本酒とは?

「『つながり』ですね。これまで『GRANDSLAM』で何度も日本酒イベントを開催しており、累計で60人程度の方が日本酒をキーワードにつながっている。年代も20代〜50代とバラバラですし、1人できても日本酒を中心に盛り上がれる。これって結構面白いことだと思うんですよ」

吉永さん

現在、日本全国の酒蔵のおよそ4分の1が、クラウドファンディングを利用している。こうした状況について吉永さんは「日本酒を飲めない人でもエンタメ的に支援したくなるような仕組みが生まれればいいですね」と話す。

投資とは、単なる数字のやり取りではなく、想いを託すことと言える。吉永さんが語る「応援のカタチ」としての酒蔵投資は、日本酒とともに、人と人との関係性を豊かにしていく可能性に満ちているように感じた。

Sake World 酒蔵投資の仕組みを知る

関連記事はこちら

日本酒の未来を守る! たった5500円の酒蔵投資が、日本酒業界を救うワケ

ライター:新井勇貴
日本酒学講師・酒匠・SAKE DIPLOMA・ワインエキスパート
お酒好きが高じて大学卒業後は京都市内の酒屋へ就職。その後、食品メーカー営業を経てフリーライターに転身しました。専門ジャンルは伝統料理と酒。記事を通して日本酒の魅力を広められるように精進してまいります。

GRANDSLAM

住所
大阪府大阪市福島区福島7丁目1−10 WiZ fukushima 2階Googlemapで開く
HP
https://grandslam.osaka/
営業時間
09:00~21:00
定休日
日曜日

特集記事

1 10
FEATURE
Discover Sake

日本酒を探す

注目の記事