日本酒メディアサイトSake Worldを運営している株式会社リーフ・パブリケーションズが開発・販売している「Assemblage Club：Taro’」。京都の三つの酒蔵と共同したアッサンブラージュ（ブレンド）手法による新感覚の日本酒だ。ザ・リッツ・カールトン京都［水暉］アシスタントマネージャーの石沢涼也さんに「Assemblage Club：Taro’」をセレクトした理由についてインタビューした。

この方に話を聞きました

ザ・リッツ・カールトン京都 水暉 アシスタントマネージャー／ソムリエ 石沢涼也さん

プロフィール

神奈川県出身。2017年の入社当初から水暉を担当し、ソムリエと酒ディプロマの資格をわずか一年で取得。接客のほか取り扱い銘柄の選定やイベントの企画にも携わる。

1.プレムアム酒が揃う日本料理［水暉］

2024年2月7日に開業10周年を迎えた、京都を代表するラグジュアリーホテル［ザ・リッツ・カールトン京都］。今年は開業を記念したさまざまなイベントが行われており、特に日本料理の［水暉］では酒蔵とタッグを組んだ日本酒ペアリングイベントを一年を通して実施して注目を集めている。これまでに北川本家と松本酒造、獺祭の旭酒造を招き、さらに10月11日には鮨と田酒のコラボレーションディナーを開催。［水暉］は会席料理、江戸前鮨、天麩羅、鉄板焼きのエリアに分かれ、それぞれ熟練の料理長による和食の粋が堪能できる。日本酒のリストには獺祭や十四代、黒龍などのそうそうたるプレミアムボトルが並び、グラスでも12種以上の銘柄を楽しむことができる。

2.歴史ある酒蔵のアッサンブラージュに驚き

―まず「Assemblage Club：Taro’」をお選びいただいた理由をお教えください。

石沢さん「松井酒造さんには開業10周年記念のお酒を作っていただき、北川本家さんとは先日も一緒にイベントをさせていただきました。また、毎年のお正月の鏡割りのお酒は月の桂さん（増田德兵衞商店）。皆さんには開業当初からお世話になっております。その三つの蔵のお酒をアッサンブラージュしていること、いずれも歴史ある酒蔵さんばかりで、これはなかなかできない特別なお酒だと思っています」

―召し上がってみて、ご感想は？

「日本酒らしい骨格があり、旨味とほどよい酸味、それで最後にしっかりとドライ抜けもあって。口の中でそれぞれの蔵が得意とするお酒の良さ、味わいが波のように変わっていくというか。ブレンドによる絶妙なバランスを感じました」

―お料理との相性は？

石沢さん「甘味、酸味、旨味のバランスがとれており、どんな料理にも合わせられます。主張が強すぎず、お刺身の美味しさを最大限に活かせるし、お肉にも力負けしません。さまざまな温度でマッチングできるのもよくて、例えば会席コースの場合なら、ボトルがキンと冷えた状態で最初に先付と合わせ、コースが進むにつれてボトルの温度が上がっていき、コース終盤にはお肉料理に合ういい具合の温度になっている。最初から最後まで一本で通して楽しんでいただけます」

―お客様からの反響はいかがでしょうか？

石沢さん「海外のお客様はワインでのアッサンブラージュという手法についてよくご存知で、お選びいただきやすいようです。なかでも日本酒についての知識が豊富なお客様は『日本酒のアッサンブラージュは珍しい』と興味を持ってくださいますね」

3.コースの最初から最後まで通して楽しめるのも魅力

会席［水暉］　伯州¥24,000（税サ込み）より　※料理はいずれも季節の一例

焼八寸
鰆幽庵焼き／紫頭巾／二色胡麻豆腐／壬生菜と湿地茸／京揚げの浸し／無花果と万願寺唐辛子／焼椎茸の白和え／鯵寿司／新生姜甘酢漬

Assemblage Club：Taro’
株式会社北川本家（京都）　販売／株式会社リーフ・パブリケーションズ、アルコール度数15％、精米歩合非公開
京都の3蔵元(増田德兵衞商店、北川本家、松井酒造)が協力し、日本酒をブレンドする“アッサンブラージュ”手法から生まれたプレミアムな一本。

造里
本日の鮮魚三種（鯛、鰹、縞鯵）

4.これからも日本酒イベントは継続したい

―今後の展望についてお教えください。

石沢さん「私自身が日本酒をとても好きで、休みの日にはよく酒蔵を訪ねたりしています。10周年の企画の後も続けて蔵元さんを招いての日本酒イベントを開催して、お客様に楽しんでいただきたいと思っています。いつか『京都の［水暉］といえば、日本酒のイベントがあるよね』と言われるようなレストランにしたいですね。スタッフにも日本酒の勉強をしているものがたくさんおりますので、酒蔵さんに来ていただいた時に話を聞いたり、テイスティングのトレーニングの時間を設けて、お客様にしっかりと説明できるようにするのも目標です」

ザ・リッツ・カールトン京都と日本酒。これまではあまりイメージの結び付かなかった関係が、開業10周年記念のイベントラッシュで深く印象付けられた感がある。めったに出合えない希少酒から手の届く銘酒まで、石沢さん渾身のセレクトが楽しめる［水暉］。これからも企画される予定のプレミアムな日本酒イベントに注目したい。

ライター・唎酒師　藤田えり子
大阪の日本酒専門店に世界を広げていただき、さまざまな日本酒や酒蔵に出合う。好きな日本酒は秋鹿、王祿ほか。お酒以外の趣味は鉱物集めとアゲハ蝶飼育。

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