Sake Brewery

仙醸

桜の名所・信州高遠で醸される地元の味 [仙醸]が150年以上こだわる酒造り

長野県中部に位置し、南アルプスと中央アルプスに囲まれた伊那市高遠町。古くから高遠藩の城下町として栄え、桜の名所としても知られるこの地で[仙醸]が酒造りを始めたのは150年以上前まで遡る。

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高遠の町で古くから愛される地元の酒蔵[仙醸]

江戸時代末期、信州高遠で創業者・黒河内松治郎が太松酒造店として酒造業を興した。2代目千代太郎が後を継ぐと、今も徳利が残る銘柄「千代友」が誕生。産業化が急速に進む時代の中、千代太郎は地元の水力発電所の社長も務めるなど、酒造り以外にも地域経済の発展に力を尽くした。

1871年、廃藩置県の際取り壊された高遠城跡に桜が植えられたことから桜の名所となった高遠城址公園。ここで地元の人が楽しむ花見には、当時から仙醸のお酒が欠かせない存在だったそう。長らく地元に愛された酒蔵であったことがうかがい知れる。

昭和の時代に入ると高遠酒造株式会社、そして現在の株式会社仙醸と社名を変更。戦後、現在の代表銘柄でもある「黒松仙醸」は贈答用としても重宝され、北信地域でも知名度を獲得していく。品質と労働環境の改善、生産効率の向上も目まぐるしく、酒造りも大きく進歩していった。

1970年代の発売以降、地元に愛され続ける「黒松仙醸」

良質な米と水に恵まれている伊那谷地域において、自社で丁寧に酒を醸す[仙醸]。高性能な精米機を使った精米、麹づくりに2種類の方法を取り入れるなど一つ一つの工程でこだわり抜く。

特に麹造りにおいては、麹室で職人の手づくりによって麹を作る伝統的な製法と、伝統的な麹造りを機械で再現した方法の2種類を使い分けており、伝統を重んじながらも新たな技術をバランスよく取り入れている。

1970年代に誕生した代表銘柄の「黒松仙醸」の名は、「黒松」が初代の黒河内松治郎の名前に由来し、「仙醸」が南アルプスの仙丈ヶ岳に由来する。一級酒の「黒松仙醸」は「黒松」の愛称でも親しまれ、芳醇な甘みとやわらかい口当たりが特徴的。お燗でも冷でも飽きずに楽しめます。 包装紙で巻いた姿は贈答用としても重宝され、上伊那地域のみならず、下伊那地域、長野、松本など北信地域でもよく知られるブランドとなりました。

麹作りの技術を応用した甘酒、米麹、焼酎、酒粕も

2005年からは麹作りの技術を応用して作る米麹の甘酒も発売。2017年には「手造り」で麹を仕込むことができる麹室を33年ぶりに復活させ、より高品質で小ロットの日本酒造りができる環境を整備するなど酒造りの歴史と技術を幅広く進化させている。

2016年に創業150周年を迎えた[仙醸]。日本酒と甘酒以外にも米麹、焼酎、酒粕と米発酵食品を広く取り扱いながら、日本の米発酵文化を未来に伝えるべく、米と麹に向き合い続けていく。

この酒蔵の銘柄一覧

株式会社仙醸

株式会社仙醸

創業
1866年
代表銘柄
黒松仙醸
住所
長野県伊那市高遠町上山田2432Googlemapで開く
TEL
0265-94-2250
HP
https://www.senjyo.co.jp/
営業時間
9:00~16:00
定休日
土曜、日曜、祝日

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