錦市場 鮨しん 本店
赤酢と白酢を使い分ける極上鮨
京都の台所「錦市場」のど真ん中に佇む鮨処がコロナ禍での充電期間を経て2023年2月3日にリニューアルオープン。ホテルや和食出身の料理長が繊細かつ独創的な握りコースが話題になっている。
「鮨」の大きな暖簾が目印。店内は檜の一枚板のカウンターが広がる。
店主の井上さん。笑顔が爽やかでやわらかい印象が好意的です。
魚は舞鶴や宮津など日本海中心に揃え、その日水揚げされた鮮魚がその日のうちに届く。
白身やイカなどには甘味感じる白シャリを、マグロやノドグロの濃厚な旨味には赤シャリを使い分けるこだわりよう。米は甘みの強い岐阜のハツシモを採用。これを見れば鮨ツウも唸る。
本日は夜の握りコースより抜粋。
甲イカ。150回ほど包丁を入れ、ねっとりやわらか。絡みつくような濃厚な甘みが口いっぱいに広がる。炭塩が良いアクセントに。
特筆すべきは熟成技術のこだわり。この日のマグロは長崎県産で乾燥熟成させ旨みをたっぷり閉じ込めて。3日間熟成させた中トロは程よい酸味が魅力の赤シャリと相性抜群。赤酢のシャリは砂糖を一切使っていないが甘さがたっぷり。
常連客から好評なのが、島根県産のどぐろをサッと炙り大葉と奈良漬けを海苔で巻き提供するスタイル。のどぐろの旨みと大葉の風味、奈良漬けの食感が抜群。
蒸し鮑の肝ソースは赤シャリを入れてリゾット風に。生クリームのみで作ったソースはシャリの風味でチーズのような味わいが楽しめる。
60グラムもある身が引き締まった熊本産の車海老。旨みを最大限に引き出される65℃のお湯で豪快にボイル。
満足度ある幸福な余韻が残る。
おすすめ日本酒情報①
京都 松井酒造 「神蔵 純米 無濾過・無加水・生酒」
米の旨みと比叡山から流れ出た地下水で作り上げる味わい豊かなお酒。蔵は京都の町中で酒造りを続ける最古の貴重な存在。米の旨みに華やかな果実感が香る「京の恋」が作り上げる純米酒。澄んだ香り、清涼感が全体にまとまり、絶妙なバランス。濃い味わいと飲みごたえは食中酒として最適。
酒別/純米酒
原材料名/米・米こうじ
アルコール分/13度
米の品種/京都府産「祝」
精米歩合/65%
酵母/京都酵母「京の恋」(京都市産業技術研究所)
飲み方/◎冷酒 ◎常温 〇燗酒
保存方法/要冷蔵
②株式会社増田徳兵衛商店 月の桂・祝米・純米吟醸
伏見では、最も古い歴史を持つ造り酒屋で、”にごり酒”と”古酒”の元祖蔵元。多くの作家や著名人に愛され「文人の酒」とも呼ばれ、 酒の「季節性」や「個性」を大切に育む。青リンゴやイチゴを思わせるフルーティな香りに、米の旨味が絶妙に混じりあう。なめらかな口当たりは京を感じる上品な味わい。
酒別/純米酒
原材料名/米・米こうじ
アルコール分/16度
米の品種/京都府産「祝」
精米歩合/50%
酵母/
飲み方/◎冷酒 ◎常温 〇燗酒
保存方法/要冷蔵
ランチは握り鮨コースが10貫4,500円。京都滋賀の地酒を中心にゆったり堪能できる。月に1度ほど食材によりメニューが変わるので季節ごとに伺いたい。握りの中に一品を挟み込む緩急に心掴まれる。
錦市場 鮨しん
- 住所
- 京都府京都市中京区東魚屋町169-2Googlemapで開く
- TEL
- 075-223-3355
- 営業時間
- 11:00~15:00※ランチの予約不可 18:30~※19時までの入店・要予約
- 定休日
- 水曜日