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京甲屋いけ田

[京甲屋いけ田]旬を盛り込んだ華麗な八寸の会席コースに舌鼓

京都を代表する3酒蔵による奇跡のコラボから生まれた「アッサンブラージュクラブ」。この希少なお酒が飲める一軒[京甲屋いけ田]は、奥行き深い日本料理の世界に感動できる名店だ。美食と美酒のペアリングを心ゆくまで楽しもう。

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錦市場に近い京町家を改装した落ち着いた空間で、季節の会席と銘酒が味わえる店。特に日本酒は「アッサンブラージュクラブ」をはじめ、ファン垂涎の銘柄が並ぶ。コース以外にアラカルトでもバリエーション豊富な一品を堪能できる。

京町家で美食と美酒が愉しめる

奥に臨む坪庭が美しい築百年を数える京町家を生かした空間で、旬の会席コースが味わえる[京甲屋いけ田]。店主の池田憲一郎さんは18歳でこの道に入り、一流料亭からすっぽん料理、豆腐料理、鉄板焼き店などを経験してきた日本料理のオールラウンダーだ。身につけた技術と遊び心は八寸や多彩なお品書きに現れ、「次はどう楽しませてくれるの?」と常連客を惹きつけて離さない。
特製のコバルトブルーの長皿に美しく盛り込まれた名物の八寸には、一品一品にその経験からなる技が冴える。厳選の日本酒と味わえば、ひとときの口福に満たされること請け合いだ。日本酒は18種類ほどが入れ替わり、アッサンブラージュクラブを始め、十四代、黒龍、獺祭などの希少酒から、知る人ぞ知る銘酒までが揃う。何を飲もうか迷ったら。ぜひ相談を。気張らず話しやすい店主みずから、好みにぴったりのお酒を教えてくれるはず。
旬の会席15,000円、おまかせ18,500円。昼は予約のみで縁高御膳5,000円、おまかせ8,000円。ほかに和牛しゃぶしゃぶやすっぽん鍋など各種の鍋コースも用意している。

旬を盛り込んだ目に鮮やかな八寸

八寸 3月の一例(写真は1人前)
会席コースの中ほどを華やかに彩るのは名物の八寸。カウンターの目の前で盛り付ける臨場感もごちそうだ。必ず付く豚の角煮も名物の一つで、箸でホロリとほぐれる柔らかさ、旨みがのっているのにあっさりなのが不思議なほど。ほかにももろこの塩焼きや、春らしくひし餅を模った海老と鱈などの三段寄せ、ちらし寿司ほか8品以上の盛りだくさん。季節の言葉を記した短冊を添えてあるのも粋な演出だ。まずはこちらの八寸を酒肴に、じっくりと日本酒を楽しんで。

すっぽん小鍋 コースに+2,200円でお吸い物から変更
すっぽん鍋は、ぐらぐらと煮立った信楽の小鍋で登場。透き通った出汁に仕上げるために爪昆布という特別な昆布を用いて酒と水だけで煮詰め、提供前に昆布と鰹の出汁をブレンドして濃さを整える手間のかけようだ。宮崎産のすっぽんはクセがなく、琥珀色に輝く出汁を一口含めば凝縮された旨みが広がり、滋養がじわりと身体に染みわたる。すっぽんはすっぽん鍋コースでも堪能でき、1人21,000円で2名から要予約。

日本酒好きの店主が選んだ銘酒が揃う

Assemblage Club 01 CODENAME : Taro グラス2,200円、1合3,500円
株式会社北川本家北川本家(京都) 販売/株式会社リーフ・パブリケーションズ、アルコール度数 15%、精米歩合 非公開

京都の3蔵元(増田德兵衞商店、北川本家、松井酒造)が協力し、日本酒をブレンドする“アッサンブラージュ”手法から生まれたプレミアムな一本。
「完全に食中酒ですね。ワイングラスで提供したら、すぐに華開いて香りが立つように感じます。夏の暑い時期には氷を一つ入れても飲みやすいんじゃないかな。不思議とぐい呑みだと辛く、ワイングラスだと甘めに感じるんですよ」

廣戸川 純米吟醸 生酒 グラス1,100円、1合1,500円
松崎酒造株式会社(福島県)、アルコール度数 15%、精米歩合 50%
東日本大震災で受けた打撃を契機に、若き六代目が酒造りに携わる。以来、全国新酒鑑評会で金賞の連続受賞を果たした注目の酒蔵。地元福島産の酒米、夢の香を使用した季節限定酒。
「個人的に好きなお酒です。入口はまろやかで、出口はキリッと上がるイメージ。飲み飽きしないです。合うのは料理全般、刺身ももちろんですが、焼き物に合わせてもらうといいですね」

鬼童 純米大吟醸 無濾過生原酒 グラス1,100円、一合1,500円
北村酒造株式会社(奈良県)、アルコール度数 17%、精米歩合50%
奈良県吉野町で天明8年(1788年)創業の歴史ある酒蔵。吉野杉が有名な地元において、古くから山で働く人々に愛飲されてきた。能の謡曲から名付けられた代表銘柄『猩々』や、役小角ゆかりの鬼にちなんだ酒銘が特徴。
「すっきりとした辛口。辛口をくださいと言われたら、こういうお酒をおすすめしています。奈良県のお酒は美味しいものが多いのですが、あまり京都では知られていない珍しい銘柄をと考えて選びました」

世界に日本料理を伝えたいという願い

店主の池田さんは「食べるのも飲むのも好きで、この世界に入った。趣味みたいなもの」と笑う。よって日本酒はもちろんワインの品揃えも豊富で、先日はフランスからワイナリーの代表を招いてのワイン会を開催したほどだ。
今後の目標は、海外への進出を計画中。「世界にちゃんとした日本料理を伝えたい」という思いをかなえるべく、4年後の実現をめざして着々と準備を進めている。

京甲屋いけ田

京甲屋いけ田

住所
京都府京都市中京区堺町通蛸薬師上ル甲屋町 390Googlemapで開く
TEL
075-708-5605
HP
https://kyokabutoya-ikeda.com/
営業時間
12:00~14:30(LO/13:00)、17:30~22:00(LO/20:00)※昼の営業は前日21:00までの予約のみ※昼夜共に15歳未満の来店はお断りします。
定休日
木曜、第3水曜

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