日本酒好きなら一度と言わず何度も足を運びたい「酒呑 にし川」。京都で3店舗展開しており、五条河原町店ではプレミアムな銘酒が並ぶなか、ちょっと特別な一本として「Assemblage Club:Taro」が人気を集めているという。その好評の理由やご自身の日本酒への想いについて、店主の西川直樹さんにインタビューした。
目次
1. 希少な銘酒を気張らず楽しめる
関西では手に入りにくい希少酒の数々を良心的な価格で提供する、日本酒ファンからの信頼厚い人気店。今トレンドの銘柄を中心に100種以上のラインナップを誇る。特に飲み比べセットはお値打ちで、あの「新政」3種の飲み比べセットとアッサンブラージュクラブを含む限定酒セットが共に1980円、約40種から選べる定番酒セットは980円で楽しめる。
料理も豊富で、多彩な鮮魚の造りをはじめ、京野菜や旬の食材を盛り込んだ一品や天ぷらの数々が壁一面の黒板メニューに並ぶ。なお、いずれもボリュームたっぷりなので、オーダーの際は要注意。
2. 酒蔵に代わってこだわりを伝えたい
―西川さんご自身、日本酒についてはどのような想いを持っておられますか?
西川さん「酒蔵さんへ見学に行くたびに、みなさん強い想いやこだわりを持っておられるのを感じ、それをお客様に発信して行ければと思っています。その想いを伝えるためにも、値段を高くせず、気軽に楽しんでいただくというのを店のコンセプトにしています」
―確かに希少な日本酒でも手が届く価格なのに驚いています。
西川さん「お客様にも『なかなか安い、東京なら2〜3倍はする』と言われます。基本的に定番の銘柄はなく毎日入れ替えているので、来るごとに新しいお酒が楽しめます。ぜひ季節ごとの変化も感じていただきたいですね。料理についても、夏なら万願寺唐辛子や賀茂茄子、鱧など旬のものをお出ししています」
―錚々たる銘酒の中に、アッサンブラージュクラブを加えていただきうれしいです。
西川さん「増田德兵衞商店(月の桂)、北川本家(富翁)、松井酒造(神蔵)さんのお酒を合わせるという取り組みがおもしろいと思いました。市販されていないという希少価値もありますし」
3. アッサンブラージュクラブの魅力は?
―召し上がってみて西川さんご自身の感想は?
西川さん「赤の『Taro』の方はどっしりとしているのにえぐみはなくて、純粋にお米の味をストレートに表現されている。ワインでいうとフルボディに近いんですが、それでも喉の通りはすごく良いですし、食中酒として肉に合うように作られていると感じました。青の『Sophia』は、ちょっと酸味があってライトな感じ。コンセプト通り確かにイタリアンに合わせやすいと思います。こっちはキリッと冷やした方がよりいいんじゃないかな。両方とも個性があって非常にいいお酒です」
4. アッサンブラージュクラブ×料理
夏の京野菜の代表格、まんまるの形もかわいらしい賀茂茄子。実がしまった茄子を甘みが引き立つように素揚げして、たっぷりの鶏そぼろあんを絡めた一品。鶏そぼろあんは濃いめの味付けで、肉料理を引き立てるTaroのしっかりした味わいとの相性は抜群。
山盛りのボリューム感は圧巻。さっくりとした衣に甘みと香りを閉じ込めた万願寺唐辛子の天ぷらは、まずはヒマラヤ産の天然塩にスダチを絞って。次にたっぷりの天だしに浸して、両方の食べ方が楽しめる。Sophiaの酸味が油の後味を切ってくれて、さっぱりと箸がすすむ。
5. 日本酒人口を増やす力になりたい
―今後、取り組みたいことがありましたらお教えください。
西川さん「日本酒を飲んでいただける人口を、より増やしていきたいと思っています。お酒についても京都ブランド、日本ブランドの魅力をいかに発信するかが、今後大切になってくると思っています。その一助になれるよう、うちも徐々に店を増やしていこうと、柳小路の店に続いて今年2月に3店舗目となる酒[酒呑 にし川 シキスイート 京都梅小路ホテル店 ]をオープンしました。また、酒蔵さんを招いてのイベントも不定期ですが開催しています」
日本酒を好きになるには、なにより良い日本酒に出合うこと。[酒呑 にし川]へ訪れた人は、誰もが日本酒の美味しさに目覚めること間違いなし。これからも酒蔵との架け橋になり、日本酒ファンを増やし続けていただきたい。
ライター・唎酒師 藤田えり子
大阪の日本酒専門店に世界を広げていただき、さまざまな日本酒や酒蔵に出合う。好きな日本酒は秋鹿、王祿ほかお酒以外の趣味は鉱物集めとアゲハ蝶飼育。
酒吞西川河原町五條店
地址 京都府京都市下京区安土町615 アーバンステージ河原町1F
電話 080-2479-2424
惠普 https://www.instagram.com/nishikawa_sake
營業時間 17:00〜翌1:00(LO/24:30)
定期休息日 不定休(月1〜2回)