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【今さら聞けない教えて!?シリーズ24】酒造用語 そうだったのか!其の一

何気なく多用している酒造用語、意味を履き違えたまま使っていませんか? 意識していなかった細かな違い、気づいて納得!

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本と書物、病気と病(やまい)、鑑賞と観賞、ハイキングとピクニックなど、語形や音は違うけど同じものを指していたり、同じ含みだと思っていたら別のことを指していたり、言葉は難しいものです。今回は、それとはなしに使われることの多い酒造用語を見直していきましょう!

前回:【今さら聞けない教えて!?シリーズ23】順番 ~荒走り・中汲み・責め

この方が解説します

杜氏屋主人・プロデューサー中野恵利さん
プロフィール
1995年、大阪・天神橋筋に日本酒バー「Janapese Refined Sake Bar 杜氏屋」を開店。日本酒評論家、セミナー講師、作詞家としてさまざまな分野で活躍。

●新酒・初しぼり・搾りたて

醸造年度は、7月1日から翌年の6月30日までの一年間で区切ります。日本酒は、7月1日がお正月ということです。この醸造年度内に造られたお酒が新酒ということになるのですが、これじゃぁ大雑把な説明ですよね。一年を通じてお酒を造り続ける四季醸造の酒蔵、米の収穫が終わった秋から春にかけてお酒を造る酒蔵、一口に酒蔵と言っても、その営みはそれぞれの状況によって異なります。

酒蔵の軒先に、清涼な香りまとった深緑の葉をそよがせる杉玉(酒林とも言う)が吊るされると、新酒が出来たということです。搾り始めると同時に吊るす酒蔵もあるようですが、搾ったお酒を出荷する日(もしくは出荷準備が出来た日)に吊るす酒蔵が多いように思います。

新酒の中で、最初に仕込んで、最初に搾ったお酒だけを “ 初しぼり ” と言います。
初しぼり以降、搾ってすぐに出荷するお酒は “ 搾りたて ” と言います。どちらも新鮮な出来たてのお酒であることに変わりありません。

初しぼりというカテゴリを設けていない酒蔵では、初めて搾ったお酒も “ 搾りたて ” と表記して出荷することが多いです。

” 初しぼり “  ” 搾りたて “ は、表示義務事項ではなく、表記してもしなくてもどちらでもいい、酒蔵の意思に任せられた、任意記載事項です。

新酒とは、その年に収穫された新米で仕込まれた日本酒全般を言い、醸造年度が切り替わった翌年、同じ品目がリリースされるまでのあいだそう呼びます。

●おりがらみ・滓酒・濁り酒……

このシリーズの16話『滓引きと濾過~清らかに澄み渡れ!』で触れたように、滓の正体は、酒袋から漏れ出た、分解されなかった米の欠片や酵母、酵素です。“ おりがらみ ” も “ 滓酒 ” も、滓を混ぜたり残したりしたりしたお酒のことを言いますが、これらは “ 濁り酒 ” という傘の下にある一つのタイプだと考えるのが妥当のように思います。

“ おりがらみ “ を、うっすら霞程度の濁り具合に仕上げる酒造家、” 滓酒 ” を “ おりがらみ ” より滓成分が多い状態に仕上げる酒造家、また、“ おりがらみ ” と “ 滓酒 “ を特に区別しない酒造家がいるため、法則を成立させずおおらかに楽しみましょう。

霞程度に濁ったお酒は、” ささにごり “ “ うすにごり ” と表されることもあります。

“ 活性にごり “ は、火入れ(加熱処理)を行わず、瓶内で発酵を持続させている濁り酒のことを言い、はっきりと感じる炭酸ガスが大きな特徴であり、魅力です。

滓を含んだお酒は、酵母や酵素が発酵を持続させるため、それを含まないお酒より香味の変化が早まることがほとんどです。火入れ(加熱処理)の有無に関わらず、冷蔵保存することをお勧めします。

へべれけ、ベロベロ、ぐでんぐでん、 語形や音は違うけど……
今回は、意識せずに多用しがちな酒造用語のお話でした。

前回:【今さら聞けない教えて!?シリーズ23】順番 ~荒走り・中汲み・責め~

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