Sake Worldを運営する［株式会社リーフ・パブリケーションズ］が開発・販売している「Assemblage Club：Taro’」。京都の三つの酒蔵（増田德兵衞商店、北川本家、松井酒造）と共同したアッサンブラージュ（ブレンド）手法による新感覚の日本酒だ。「Assemblage Club：Taro’」を日本酒ペアリングディナーに取り入れた理由について、店長の楠さんにインタビューした。

この方に話を聞きました

祇園 静水香 店長 楠 純平さん

プロフィール

日本全国の日本酒に精通しており日本酒のほか、ウィスキー、ワインなどの知識も豊富。ペアリングディナーではそれぞれ日本酒の特徴を丁寧に説明してくれるので、初心者からも好評。

1 これ以上ない最高の日本酒体験を

▲祇園 静水香 料理長 澤田和巳さん
老舗料亭「祇園丸山」において長年の経験を積み、東京で料理長を務めた店ではミシュラン一つ星を3年連続獲得。その後はフォーシーズンズホテルに所属し、多数の海外ホテルで料理長として日本料理の指導にあたる

最も祇園らしい風情ある一画、巽橋そばの京町家で日本酒と京料理のペアリングコースが楽しめる「祇園 静水香」。それもただの日本酒ではない、あの十四代や新政のプレミアムラインをはじめ、滅多にお目にかかれない銘酒を一度に飲み比べできるなんて――。日本酒好きの夢をかなえてくれる店の実現に関わったのは、元サッカー日本代表で「JAPAN CRAFT SAKE COMPANY」を率いる中田英寿氏。日本酒文化に貢献したいという思いが一致してのコラボレーションだ。さらに料理長はミシュラン二つ星の京都の老舗料亭「祇園丸山」出身とあれば、もう何も言うことはない。
日本酒9種類とそれに合わせた料理を提供するペアリングコースは蔵人22,000円、杜氏26,400円（いずれも税サ込）の2種。いずれも料理は同じで、日本酒の内容違いになる。

2 料理に合わせやすいAssemblage Club：Taro’

―まず「Assemblage Club：Taro’」をお選びいただいた理由をお教えください。
楠さん「日本酒を選定するなかで、一つ京都のお酒を入れたいと考えました。アッサンブラージュクラブの良さの食事を邪魔しないというか、ブレンドならではのクセの少なさ、やわらかさがペアリングのテーマと合致していると思いました」

―そうなんですね、反響はいかがですか？
楠さん「とても口当たりがいいと評判です。やはり日本酒をお好きな方が集まられるので関心が高く、アッサンブラージュクラブをご存知なことも多いですね。お料理を目当てに来られた方も『こんなお酒があるんだ。どこで買えますか』と喜んでいただいています」

―日本酒ツウの方々にも好評でうれしいです。
楠さん「アッサンブラージュクラブは三つの酒蔵さんのブレンドなので、それぞれの酒蔵のファンの方がいらしても、『こんなお酒がありますよ』とお話しできるのがいいですね。酒蔵さんはお馴染みでもアッサンブラージュについては初めて知ったという方もあり、日本酒をブレンドするという手法にも興味を持たれますね」

3 京料理とプレミアム酒のペアリング

※日本酒は杜氏コース26,400円より。料理、日本酒はいずれも一例。

秋鯖の棒鮨×十四代 龍の落とし子 上諸白
旬の魚の棒鮨は看板料理。脂ののった秋鯖は鮮度を生かして軽く締め、千鳥酢に利尻昆布ほかを漬けて熟成させた特製鮨酢で仕立てたシャリと合わせて。
十四代 龍の落とし子 上諸白　純米大吟醸
高木酒造株式会社（山形）　アルコール度数15％、精米歩合45%

蔵元自ら開発した酒造好適米「龍の落とし子」を45%まで磨いたプレミアムな純米大吟醸。「口当たりが非常にやわらかいお酒。看板料理と日本酒、看板同士のペアリングです」

おでん×雪の茅舎 山廃 純米大吟醸
この場で作りたてのしんじょうはふわっふわ。揚げ出しの賀茂茄子や蛸など、おでんというより上品な炊き合わせのよう。
雪の茅舎 山廃 純米大吟醸
株式会社齋彌酒造店（秋田）　アルコール度数16％、精米歩合45%
兵庫県黒田庄産の山田錦を使用、華やかな香りと旨みが広がる。「おでんには必ず山廃。乳酸由来の酸味がおでんの味を締めてくれます。今の賀茂茄子などには通常の山廃では強すぎるので、酸がなめらかで旨みのしっかりある雪の茅舎を選びました」

いかの塩辛×Assemblage Club：Taro’
アオリイカの造りにカツオの酒盗ソースを合わせた、変わり塩辛。いか本来の甘みをだしで割ったほどよい塩辛さのソースが引き立てる。
Assemblage Club：Taro’
株式会社北川本家（京都）　販売／株式会社リーフ・パブリケーションズ、アルコール度数15％、精米歩合非公開
京都の老舗酒蔵3蔵（増田德兵衞商店・北川本家・松井酒造）の垣根を超えた「アッサンブラージュ」によって誕生した日本酒ブランド。「酒盗ソースが少しお皿に余るので、お酒を注いで最後まで召し上がっていただいています。いろいろ相性を試しましたが、Assemblage Club：Taro’が一番でしたね」

4 極上の大人の愉しみに出合える

―今後の展望についてはいかがですか？
楠さん「お店としてはオープンしてからようやく2カ月ほどで、まだまだ。バータイムでは、今はコースの延長の料理を出させていただいていますが、将来的にはお魚のサンドイッチのようなオリジナリティのあるものを考えています。
2カ月先まで予約可能で、週末は比較的ご予約を多くいただいておりますが、平日はまだ取りやすくなっております。また4時から6時のプレディナータイム、9時からのバータイムは、予約なしでも日本酒やウィスキー、カクテルを楽しんでいただけます」

日本酒はすべてマイナス5℃で保管。特に十四代は蔵元から直送され、常にベストな状態で提供できる。グラスはスガハラガラスの酒器シリーズを日本酒のタイプに合わせて使い分けるというこだわりだ。また、1階は8席のカウンターとテーブル席、2階の座敷ではお茶屋遊びができるとか。

祇園白川ほとりの伝統的京町家という最高のロケーションで、最高の料理と美酒に酔いしれる、これぞ大人の愉しみ。ここでしか味わえない極上の時間をぜひ体験してほしい。

ライター・唎酒師　藤田えり子
大阪の日本酒専門店に世界を広げていただき、さまざまな日本酒や酒蔵に出合う。好きな日本酒は秋鹿、王祿ほか
お酒以外の趣味は鉱物集めとアゲハ蝶飼育。

・一般向けご注文窓口はこちら（ https://assemblageclub.myshopify.com/ ）から。
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