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[コンラッド大阪 蔵 鉄板焼&寿司]×[アッサンブラージュ・クラブ]で最高の寿司ペアリングの可能性を探る

[Conrad Osaka Kura Teppanyaki & Sushi and Assemblage Club explore the possibilities of the best sushi pairing

[コンラッド大阪 蔵 鉄板焼&寿司]では、毎回様々な趣向を凝らしたイベントが開催されている。中之島にあるコンラッド大阪の40階にあり、大阪の街並みを一望でるこの空間は特別なゲストを迎えるのに相応しい和モダンの内装が心地よい。贅を極めた料理と特別な体験が味わえる場所だ。

司会を務めたのはSake Worldプロデューサーでもあり[アッサンブラージュ・クラブ]のチーフブレンダー、2024 Mr SAKEグランプリにも選出された上山賢司(唎酒師)。さらに、[アッサンブラージュ・クラブ]のマスターブレンダーを務める月の桂の十四代目当主である増田德兵衞氏もゲストスピーカーとして料理と酒に華を添えた。今回用意されたのは、[アッサンブラージュ・クラブ]の代表銘柄である[Taro’]を含む全8種類(非売品も含む)。時折登場する紫蘇ジュースや山椒などのプラスアルファのスパイスが料理やお酒をさらに楽しいものに変えていく様は、日本酒の飲み方やペアリングの概念の壁を取り払うものだった。

まずは、月の桂のシグネチャーである「月の桂 にごり酒(スパークリング)」で乾杯。お米の甘味とうま味をダイレクトに感じられる秀逸な酒だ。酵母を生かしたままにして、いわゆるシャンパンと同じく瓶内2次発酵をさせることで発泡を産む。「強烈に発泡していますので、底に沈殿があっても振ったらダメですよ〜!実は日本でも随一のクレームの多い酒なんです。味はおいしいんですけどね」と増田さん。まずは開け方の指南。シュワシュワのにごり酒にみなさん舌鼓。五臓六腑に染み渡り食欲を刺激されます。(正式な名称は:月の桂 純米中汲スパークリング)

そこへ一品目は「蒸し鮑、鰹出汁ジュレ」。先出のにごり酒スパークリングから感じられる米のうま味と合わせつつさらに参加者にサーブされたのは、板長特製の紫蘇ジュース。こちらをにごり酒に少し垂らすと、フルートグラスの中に紫のグラデーションがかかり素晴らしい色合いを見せる。そして驚くのはペアリングの妙。上山氏曰く「夏らしい蒸し鮑のお料理。ここに穂紫蘇がつくイメージが湧いたんです。それをお料理ではなく、お酒の方にプラス」。料理と酒だけでなく、さらに第3のサプライズアイテムによるトリオでのマッチングはおもしろいアイデア。すばらいお料理がさらに際立った。

続いての料理も夏らしい「虎魚ぽん酢、もみじおろし、芽葱」と「鱧落とし、梅肉、山」。合わせる酒は「月の桂 抱腹絶倒」。こちらは低アルコールで酸の強い白ワインのようなタイプ。「飲んだことの無い味わい」と参加者から感嘆の声がもれていた。シンプルに酢や梅肉などの“酸味”で合わせていただく。清々しい味わいが響きだす。こんなモダンな酒が実は35年も前から作られていたことに驚かされる。

三皿目「烏賊素麺、雲丹、キャビア」に合わせるのは「月の桂 The Branche」。こちらはヨーロッパ向けに開発された華やかな香りのタイプとのこと。烏賊の風味と日本酒の吟醸香が遊ぶ優美なペアリング。さらにここでのサプライズは「木の芽」。参加者自身の手でパンッと叩いて香りを出しお酒に浮かべます。ウッディーで青みのある和の香りが爽やかで、全体的な印象が一気に夏の調べに。

次は遊び心ある焼き物「黒毛和牛ライスバーガー」。合わせるのは「Assemblage Club 01 Taro’」。こちらがアッサンブラージュ(ブレンド)による新しい日本酒。開発当初は“和牛専用”として整えられた日本酒であるとこのことで和牛のうま味を引き出してくれます。さらに上山氏から「実は和牛のうま味はイノシン酸。そして付け合わせのキノコはグアニル酸、日本酒はグルタミン酸と、世界三大うま味を全て集結させ、究極の”うま味”の一皿へ。これが今世界へ発信したい日本の“うま味マリアージュ”です!」。参加者からは「日本酒自体が美味しい」「普段ワインを飲むことが多いけど、満足できる日本酒」「お肉とよく合う」などの声が聞こえてきた。

そしていよいよお寿司の登場。合わせるのは[月の桂 純米吟醸]。あくまでお寿司を楽しむために一番癖の無い、従順なタイプがセレクトされたようだ。吟醸香も比較的穏やかで辛口。今までひと味違ったペアリングが多かった分、お寿司の美味しさを安心して楽しめる。あくまで主役はであることが強調された。すばらしいお寿司の数々に集中し、参加者は無言で味わう一面も。

などなど、素晴らしい料理と画期的なペアリングが進み、デザートの前に出てきたのが月の桂の秘蔵の熟成酒。さらにすごいのは1993年(31年もの)と2000年(24年もの)をアッサンブラージュ(ブレンド)し味わいを調整してあるという。新酒には無い熟成酒特有の芳醇な香りが満載で、ウイスキーやワインとはまた違った熟成の楽しさを発見できる。月の桂では、20リットルの磁器製の甕で保管しており、50年を越すような熟成酒もあるという。熟成酒は冷やしても常温でも、温めてもまたまったく違った表情を見せることがある。最近は日本酒の熟成酒の魅力に取り憑かれる人も多い。

日本酒は、アッサンブラージュや熟成酒、さらにはカクテルなども含め世界的にも大きな盛り上がりを見せている。さらに料理とのペアリングの可能性は無限大だ。アッサンブラージュの日本酒についても、新しい発見とアイデアで未知の可能性を秘めている。これからますます増えていくだろう日本酒ペアリングディナー。その可能性と楽しさを最高級のレベルで楽しめる会が開催されていた。